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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2016/07/27

トンネウシナイ⑦ カクサボシ橋

 清田1条1丁目の某飲料メーカー工場は、立地してかなりの年数を経ているようです。山田秀三先生の『札幌のアイヌ地名を尋ねて』1965年に、以下の記述があります(p.143)。
 清田を自動車で通った機会に、開拓時代からの旧家の三上権治郎さんを訪れてこの川(引用者注:トンネウシナイ)のことを聞いたら、それは、われわれの「トンネ川」と云っている川のことでしょう。コカコーラの工場のそばに、国道のカクサボシ橋という小さな橋があります。その下を流れている川のことです、とのことであった。 
  
 半世紀以上前の書物に登場しているのです(末注①)。
 ところで、この著述で気になった名前があります。「カクサボシ橋」です。これは今もあるのだろうか。記述からすると、トンネ川に架かっています(いました)。1965年当時ですから、もちろん旧道です。飲料メーカー工場のそばだという。

 現地を確かめてみました。
清田 旧道 カクサボシ橋?
 旧トンネ川が旧道をくぐる箇所です。白い鉄柵のところを川が流れています(7月24日ブログ http://keystonesapporo.blog.fc2.com/blog-entry-732.html 参照)。その左方が飲料メーカー工場です。
 現在は橋の呈をなしていないし、白い鉄柵にそれらしい名前も記されていません。しかし、トンネ川に架かるというと、この場所と思われます。

 大正5年地形図です。
大正5年地形図 カクサボシ橋?
 旧道上に、橋の記号が記されています。川の流れは描かれていませんが、位置的には前掲画像の旧トンネ川と一致しているように見えます。この橋がどうやらカクサボシ橋か。

 裏付けを得るべく、現地にお住まいの方を訪ねました。工場から旧道に沿って千歳寄りに、Mさんというお宅があります。建物は新しいのですが、雰囲気的に古くからのお住まいとお見受けしました。案にたがわず、ご当主はこの地で生まれ育ちとのこと。
 私「コ○コーラの工場の近くに、カクサボシという名前の橋があったと聞いたのですが、ご存じないですか?」
 Mさん「聞いたことはあるが、もう少し向こう(千歳寄り)だったと思う」

 Mさんのご記憶からすると、前掲画像の位置ではない。さて?
 昨日ブログでお伝えしたように、1975年版河川網図によるとトンネ川は現在の流れよりも千歳寄りに描かれています。前掲大正5年地形図の橋の位置からみても、千歳寄りです。ある時期カクサボシ橋が千歳寄りに移っていた可能性も否定しきれません。
 ところでカクサボシという名前は何に由来しているのだろう? □サ・という印か。どこかの屋号か? 

 注①:ネットで検索したら、この飲料メーカーのサイト上で沿革が記されていて、工場は1963(昭和38)年竣工である。なお、山田著の「旧家の三上権治郎さん」は、「見上」姓の誤記と思われる。
 注②:『札幌・千歳間道路物語』2003年によると、旧国道36号に1953(昭和28)年架橋された橋の一つに、カクサボシ橋(橋長3.5m、函渠、工費665,729円)がある。位置までは記されていない。

2016.11.10、11 関連事項追記
http://keystonesapporo.blog.fc2.com/blog-entry-838.html
http://keystonesapporo.blog.fc2.com/blog-entry-839.html
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≪ 北大に現れた古典建築ホームトンネウシナイ⑥ ≫

Comment

カクサボシが何を意味しているのは全く見当がつきませんが、清田区内の厚別川=アシリベツ川に架かる橋はやたら人名に基づいた名前の橋ばかりだなと思った記憶があります。

話がずれますが、今回記載の地図に今個人的に注目してる霜踏山の名前が記載されていて何故だか妙に嬉しくなりました。

Re: タイトルなし

ぶらじょに様
霜踏山、気になりますよね~。
国道12号の月寒川に架かる霜踏橋と関係あるのでしょうか。
『さっぽろ文庫1 札幌地名考』には、どちらも載ってないようですが。
keystonesapporo

さらっと調べたのですが12号線の霜踏橋とは関係ないようです。

先日どうしても気になって推測現地(北野小学校北西部)に行ってみたのですがたしかに山(というより丘)でした。
でも名前などの痕跡はどこにも見当たらず、名前が残らなかった理由も土地の経緯を調べるとうっすらながら見当がついたのでそれ以上深入りはしてません。

特に注目すべき点はない古地名なのですが、一応まだ名前の痕跡が残るこれまたほぼ丘である吉田山に比べると人様の目に付きにくい「山」なのでぜひ皆さんの記憶の中にも留めていただけると幸いでございます。

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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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