FC2ブログ

札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2015/07/26

ハッタリベツ道 再考

 6月30日~7月2日のブログで取り上げた「ハッタリベツ道」について、再考します。
 このときのブログで、「ハッタリベツ道=東本願寺による開削」とする説に疑問を投げ、これを現在の石山通の前身とする見方にも否定的な見解を述べました。
 結論的には、ハッタリベツ道は東本願寺が来る前からあった古道(踏み分け道)であると私は推測したのですが、今回はそれを補強する史料です。
札幌ヨリ有珠二至ル新道 絵図
 「札幌ヨリ有珠ニ至ル新道ノ圖」と題された絵図(北大図書館蔵)で、1981(明治4)年以降に作られたものとみられます(末注①)。

 この図面で、黄色の○で囲ったところを拡大すると…。
札幌ヨリ有珠ニ至ル新道ノ圖 ハッタリベツ古道拡大
 赤い○で囲ったところに「東本願寺」と書かれ、その上の黄色の○で囲ったところに「ハッタリベツ古道」と書かれています。これに沿うように破線が描かれ、これがハッタリベツ古道」とみられます。

 この絵図は下が北になります。
 南北に豊平川らしき川が蛇行し、、そこから右(西)に直線的な水路も描かれ、「用水」と書かれています。のちの創成川でしょう。豊平川や用水に直交して、破線が左右(東西)に通じていて、右(西)に「銭箱道」、左(東)に「千年道」と書かれています。川と交差するあたりに「御本府」「御高札」とあります。
 くだんのハッタリベツ古道は銭箱道と用水が交差するあたり(現在の南1~3条西1丁目か)から発し、右上(南西)へ進みます。このあたりは前に紹介した史料と同じ描かれ方です。道は東本願寺から曲がり、南行します。

 ここで注目したいのは、ハッタリベツ「古道」と書かれていることです。すなわち、「有珠に至ル新道」(以下「有珠新道」)に対する古道です。有珠新道が開かれた時点で、すでにハッタリベツのほうは「古道」だった。つまり、その前からあった。
 有珠新道の開削は1870年9月に開始され、竣功したのは翌1871(明治4)年7月です(末注②)。有珠新道竣功前に東本願寺がハッタリベツを開削した可能性も皆無とはいえないが、有珠新道だけでも手一杯なところへ、他の道を拓く必然性があるとは思えない。東本願寺側の史料からすると、同寺が新道開削に着手しえたのは、現如法嗣が札幌に来た1870(明治3)年7月以降とみられます(末注③)。仮にその時期に道を拓いたとして、それに「古道」と名づけるのも、考えづらい。
 


注① この絵図は東本願寺によって開かれた札幌-有珠間の道を描いたもので、その竣功年からして1871(明治4)年以降の作成と思われる。右下には「札幌ヨリ有珠ニ至ル新道ノ圖」と題されているが、右上の文には「本願寺新道里数附 御本府ヨリ臼新道入口」云々と書かれ、「有珠」の表記が異なっている。
注② 『新札幌市史 第八巻 年表・索引編』2008年、p.40、p.44
注③ 『アイヌ民族差別と大谷派教団 共なる世界を願って』真宗大谷派宗務所出版部、2008年、pp.56-67 
スポンサーサイト



≪ 石山2条3丁目 Kさん宅ホーム東本願寺の立地 再考 ≫

Comment

ハッタリベツ道シリーズを改めて読み返させてもらいましたが全て合点がいく推察でこれからも楽しみにしてます。

090-1306-6001

「札幌ヨリ有珠ニ至ル新道」の図は高見澤権之丞の筆かと思います。
高見澤は開拓使の建築関係の技師だったようで、他に明治二年の地図も二枚書いておりそれにもハッタリベツ方向への道路が薄っすらと見えます。また、同じく開拓使の画工の船越長善も明治四年に「札幌郡西部図」を描き有珠新道も明瞭に書いており、東本願寺からハッタリベツ方向への道路もキッチリ書いていますので… 参考になれば…
なお、この街道の峠から定山渓への降りくちを2キロほど発見していますので、ご案内出来ます。

コメントの投稿

管理人にのみ表示する

Track Back

TB URL

Home

 

プロフィール

keystonesapporo

Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

カレンダー

09 | 2019/10 | 11
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

最新記事

最新コメント

カテゴリ

閲覧者数(2015.9.4からカウント)

検索フォーム

ランキング

↑ クリックすると、ランキングが見れます。

月別アーカイブ

管理画面

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

最新トラックバック