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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2021/05/16

軽川は手稲のたまもの

 「手稲山地すべり地形分類図」(末注①)から、町の成り立ちの一端が読み取れるような気がします。
手稲山地すべり地形分布図 要所
 実線付きの○数字を加筆しました。
 橙色:弥彦神社(5月12日13日14日ブログ参照)
 :手稲神社(昨日ブログ参照)

 これまで綴ってきた橙色①②のみならず、これから記す赤③④⑤も「流れ山」に立地しています。
 :手稲消防署(手稲本町2条5丁目)
 標高図に照らしても小高くなっていて、火の見上も都合が良かったのではないかと想像しました。
 消防署の北側です。
手稲本町2条5丁目 流れ山 幼稚園付近
 南から北を眺めました。前掲図によると、画像左方の小丘が流れ山のようです。この丘の上に老人クラブの会館と幼稚園があります。その付近には「三峯神社」があったそうです(末注②)。

 :手稲墓地(手稲本町4条4丁目)
手稲墓地
 このあたりを扇状地と早とちりしていたとき(5月2日9日ブログ参照)、「ここに墓地が設けられたのはなぜ?」と想ったのですが、流れ山と知ってこれまた一人合点がいきました。近代的墳丘墓か。

 :祥龍寺(稲穂2条1丁目)
祥龍寺 山門
 手稲区の古刹と聞きます。曹洞宗で、山号は瑞雲山。お寺も山に建つ。
 
 舎利殿です。
祥龍寺 舎利殿
 お釈迦様も流れ山の岩塊で涅槃する。かくして、大事な施設は要所に立地したと窺えます。

 手稲の町の各地にはかつて、ミニジャンプ台があちこちに造られました(末注③)。手稲神社、弥彦神社のほかに、竹内山、田巻山、藤川山、秋葉山。神社は先述のとおり、地質学者Mさんによると竹内山以下も流れ山の斜面を利用した可能性があります。NHKブラタモリ風になぞらえると、手稲のスキージャンパーは5万年前の流れ山から飛び立った?

 注①:山崎茜「手稲山の大規模地すべりについて」北海道教育大学札幌校卒業論文2006年(5月9日ブログ参照)
 注②:『手稲神社史』2000年p.64。その祭神「三峯大神」は現在、弥彦大神と同じく手稲山頂の手稲神社奥宮に合祀しされている。
 注③:『手稲でみつけた手稲の話』2020年所収pp.40-41「№16 手稲にはスキージャンプの種がまかれている」
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≪ 札幌の街並み 30年余り前の一コマ ④ホーム手稲山の申し子 ≫

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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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