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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2021/02/20

野の中の川 蛇行のフラクタル(承前)

 昨日ブログの続きです。野津幌川のつづら折り蛇行を読み解きます。
 本来ならば、そもそも川はなぜ蛇行するか、から始めるべきです。が、それを正確にかつわかりやすく説明する力量は私にはありません。自然地理や河川工学の専門の記述等を参考にしていただくとして、先に進めます。

 野津幌川流域を広く俯瞰した色別標高図です(標高10m未満から10mごと60m以上まで7色段彩)。
色別標高図 下野幌のっぽろがわ公園 野津幌川流域 広域 
 野津幌川を白ヌキ実線でなぞりました。赤い矢印の先が先日来話題にしている下野幌のっぽろがわ公園です。そのすぐ南で川がつづら折りに蛇行しています。正確には、かつて蛇行していました。蛇行は、札幌の南東部から野幌にかけての丘陵を削ってきた川が低平部に下りたあたりで生じたかのようです。

 同じ流域一帯をシームレス地質図(産総研)で眺めます。
産総研シームレス地質図 下野幌のっぽろがわ公園 野津幌川流域 広域 
 濃い青でなぞったのが野津幌川です。元図の色分けの凡例は以下のとおり。
 ピンク色:大規模火砕流、黄緑色:段丘堆積物、薄い水色:谷底平野・山間盆地・河川・海岸平野堆積物、濃い水色:湿原・湿地堆積物
 
 つづら折り蛇行の位置は、薄い水色の上流部と窺えます。「谷底平野・山間盆地・河川・海岸平野堆積物」ですが、川が拓いた谷底平野の一帯、その上流部といってよいのではないでしょうか。野津幌川を概観すると、4万年前の支笏火山噴火による火砕流堆積物の一帯を流下して平野を拓きました。つづら折りの蛇行は、火砕流堆積物が薄くなった低平部に川が下りたところで生じたと見えます。
 川が上流から土砂を運ぶ→低平部で川の位置エネルギーが低下する→土砂が停留・堆積しやすくなる→自ら運んだ土砂の堆積によって川の流路が妨げられる→流れやすい方へ向きを変える→また土砂が溜まり、流路の変更を余儀なくされる→その繰り返しでつづら折りの蛇行が形成される。とりあえずの結論です。
 この地点よりも下流ではますます位置エネルギーが下がり、運ぶ土砂が細粒化したと思われます。大きくて重い礫は運びづらい。その違いが蛇行の形成にも影響したのかもしれません。この地点がつづら折りを作る局所になったといえなかろうか。

 地質図を微視的に観ます。
産総研 地盤地質図 野津幌川 下野幌のっぽろがわ公園付近
 産総研「札幌及び周辺部地盤地質図」2006年から抜粋しました。濃い青が野津幌川、赤い矢印の先が下野幌のっぽろがわ公園の位置です。元図の色分けの凡例は以下のとおり。
 紫色:先沖積層、水色:谷底平野堆積物、ピンク色:泥炭堆積物

 前掲のシームレス地質図に照らすならば、先沖積層が大規模火砕流、谷底平野堆積物が谷底平野・山間盆地・河川・海岸平野堆積物、泥炭堆積物が湿原・湿地堆積物に当たりましょう。
 ミソは、この地点にピンク色の泥炭堆積物が入り込んでいることです。前掲のシームレス地質図ではそこまで分布されていませんが、上掲の札幌及び周辺部地盤地質図では微細なモザイク状に描き分けられています。この一帯は、札幌市域で泥炭堆積物が堆積するもっとも内陸部です。偶然か必然か、その分布とつづら折り蛇行が重なっています。さらには「まるやま」(2月17日ブログ参照)の地形とも関わり合っているようですが、長くなりましたのでここで留めます。
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≪ 野津幌川の地理的特異点? ホーム野の中の川 蛇行のフラクタル ≫

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1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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