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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2020/11/20

“最古の札幌軟石”は、どこで採られたか?

 “最古の札幌軟石”の位置を地質図で俯瞰します。
シームレス地質図 千歳市キウス 南区石山
 産総研シームレス地質図V2から抜粋しました。
 
 支笏火山の火砕流はピンク色の一帯で堆積しています。墓標とみられる支笏溶結凝灰岩の石柱が見つかったキウス周堤墓群は、赤い矢印を付けた先です。これを観ると、キウスも火砕流の堆積地の端です。このあたりには溶結凝灰岩は見られないのでしょうか。
 参考までに、溶結凝灰岩たる札幌軟石が採掘された南区石山(穴の沢)の位置を黒い矢印を付けた先に示します。やはりピンク色の火砕流堆積の端です。豊平川が削った谷に露頭しています。

 地質図を拡大して、札幌軟石の採掘地とキウスの位置関係を鑑みます。
シームレス地質図 札幌軟石採掘地、千歳市キウス
 ○Kと記した赤い矢印の先がキウス周堤墓群です。軟石が掘られた場所(2014.10.31ブログ参照)を、南区石山以外も含めて以下のとおり示します。
 ○Ⅰ: 南区石山(穴の沢軟石)
 ○A : 清田区有明(アシリベツ軟石)
 ○S : 北広島市島松(島松軟石)
 南区石山以外の採石地も、有明は厚別川、島松は島松川と、それぞれ川が削った露頭です。なお、有明と島松も含めて札幌軟石と総称します。
 
 同じ地質図で、支笏火山の噴出地からのそれぞれの距離を測りました。
シームレス地質図 札幌軟石採掘地、千歳市キウス 支笏湖からの距離
 支笏火山の噴出地=支笏カルデラ≒支笏湖の中心から距離です。
 Ⅰ(南区石山)=23.8㎞  A(清田区有明)=25.5㎞  S(北広島市島松)=25.9㎞ K(キウス周堤墓群)=35.1㎞

 札幌軟石の採掘場所は、支笏湖からほぼ同心円上に分布しています。一方、キウスはそれらよりも10㎞ほど遠くです。火砕流によって堆積した凝灰岩の溶結層は、単純に噴火口からの距離にのみ規定されるものではないと思います。溶結作用が生じるためには相当な堆積の厚みが必要なようです(末注)。さらに、軟石の採掘地となる(人の眼に触れる)ためには、川などの浸食によってその厚みが露頭する必要があります。キウスは、その条件を充たしていたか。
 千歳市埋蔵文化財センターによると、周堤墓で見つかった墓標とおぼしき柱石は溶結凝灰岩の柱状節理です。3,200年前、縄文人は溶結凝灰岩をどのように墓標としたのか。加工したのではなく、柱状節理で柱状となっていたモノをそのまま利用したらしい。とすると、柱状節理の見られる露頭で、ほどよいモノを選んだということになります。昨日ブログに記したように、キウスの近くには溶結凝灰岩の地層は見られないそうです。石柱に用いた柱状節理の溶結凝灰岩は、どこで露頭していた(いる)のか。センターの学芸員さんの話では、特定できていません。これは探し甲斐があります。

 注:若松幹男・吉本光宏「支笏火山の形成史」『わが街の文化遺産札幌軟石-支笏火山の恵み-』2011年、p.22参照
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1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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