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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2020/09/14

浦河通はなぜ、生き残ったか?補遺

 標題のテーマは9月5日ブログで終えるつもりだったのですが、その後の調べで補わざるをえなくなりました。
 
 同日ブログに載せた現在図を再掲します。
現在図 札幌中心部 条丁目街区の違い 通り名
 創成川以東で赤いで網掛けした街区が中央区南3条東2丁目、青いの網掛けが北1条東2丁目です。

 浦河通という古称が生き残った理由として私は、大通をはさんで南側と北側で街区の区切られ方、すなわち町名の分かち方が異なっていることを挙げました。街区の東西を分かつ境目が、南側の街区では仲通りで分かたれているのに対し、北側では本通りで分かっています。
 南側の街区の真ん中を本通りとして貫いている赤い実線②が、浦河通こと市道東2丁目線です。この通りは大通を越えて北へ進むと街区の境界線となります。このいわば食い違いが、東2丁目線とか東2丁目通りという呼び名を忌避させたと私は想像したのです。大通の北側では、東2丁目線といっても道路の西側に面する街区は東1丁目であり、紛らわしさを否めません。

 しかし、創成川以東でこのような食い違いが生じたのは比較的最近だということを知りました。ゼンリン住宅地図を遡ってみると、かつては下掲のような街区の区切られ方だったのです。
現在図 札幌中心部 条丁目街区の違い 1985年以前
 北1条東2丁目を濃い青ので囲みました。街区が②の東2丁目線をまたぎ、西側の半丁角にも及んでいます。本通りで丁目(町名)を分かつほぼ正方形の街区ではなく、西側の仲通りを境目とすることによって長方形の変則的な街区となっているのです(末注)。その結果、②の東2丁目線は街区の中を通じています。
 
 ゼンリン住宅地図を繰ると、創成川以東大通以北の街区が現在の区切られ方(町名の分かち方)になったのは1986(昭和61)年です。1985(昭和60)年までは上掲の長方形でした。明治時代の条丁目設定時に遡ってどうか、そこまではまだ調べが及んでません。しかし、南北の食い違いがこの30-40年くらいの所産だとすると、古称浦河通生き残りの根拠とするのは弱いといわざるをえません。
 そもそも浦河通はこれまでも記してきたとおり、東2丁目線の大通以南の古称でした(以北は「雨竜通」。9月2日ブログ参照)。大通以北以南を通して東2丁目線と称しても支障はなかったのに、以南だけあえて古称が生き残ったことになります。私は、9月5日ブログの末注で次のように締めくくりました。
 しかるに、創成川以東は時代を経て、大通をはさむ北と南の親和性というか連担性は高くなったと思われる。以東では大通といっても、以西のように公園化されてはいない。北と南で、大通公園や創成川をはさむほどの大きな異界性はないだろう。しかるに北と南では、町名の分かち方に異なる出自の痕跡が遺っている。一帯化しつつも、微妙に醸される隔絶感。浦河通の古称が生き残ったのは結局、創成川以東における大通以北・以南の微妙な一帯感と隔絶感の産物といえるかもしれない。
 
 この結論は変える必要がないとあらためて思います。「北と南では、町名の分かち方に異なる出自の痕跡が遺っている」のは、東2丁目に限れば近年の所産でした。しかし、見方によっては、以北における東2丁目の変更は“先祖帰り”したとも想えます。あえて以南とは異なる分かち方に“戻した”。結果、以北と以南で9月5日ブログに載せた画像のような現象が生じた。近年になって新たにかような現象を作り出したこと自体、以南と以北の「一帯化しつつも、微妙に醸される隔絶感」、「創成川以東における大通以北・以南の微妙な一帯感と隔絶感」の表象といえなくもありません。

 注:変則的な長方形だったのは東2丁目のみで、東3丁目以東は従前も正方形の街区である。
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≪ 北海製靴の社長にお目にかかるホーム黒澤明監督も歩いた浦河通 ② ≫

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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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