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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2020/05/28

札幌扇状地平岸面のミッシングリンク ③ トイシカラメム

 5月26日ブログ末尾に「トイシカラメムについては私の前述は通説ではないようです」と記しました。これは、札幌扇状地平岸面の範囲に関わることです。

 札幌の地質の区分を示す地図でトイシカラメム(ツイシカリメム)の位置を確かめます。
① 札幌市埋蔵文化財センター展示 遺跡分布図
札幌市埋蔵文化財センター展示 遺跡分布図 トイシカラメム位置
 〈元図の凡例〉 橙色:札幌扇状地札幌面、薄紅色:扇状地
 〈加筆〉 トイシカラメムの位置:黄色ので囲った「菊水」と書かれたあたり。
 メムは現在の札幌東高校の付近です。元図の色分けによると橙色の北の端、すなわち札幌扇状地札幌面の扇端に当たります。一方、豊平区の豊平、美園、平岸から南区の澄川にかけては薄紅色です。これが扇状地平岸面と思われます。

② 国土地理院 土地条件図 1万5千分の1「札幌」1977年
土地条件図 札幌扇状地 トイシカラメムの位置
 〈元図の凡例〉 ドット付きの黄色地:札幌扇状地、ヨコ線入りの薄紅色:台地・段丘 低位面、青ヨコ線+赤斜線(画像上紫色に見える):低地一般面(谷底平野・氾濫平野)+人工地形 盛土地
 〈加筆〉 トイシカラメムの位置:赤い、白ヌキ実線:国道12号(北側)、国道36号(南側)
 扇状地平岸面に当たる一帯は「台地段丘 低位面」とされています。トイシカラメムの位置は「札幌扇状地」ですが、色分けはやはり平岸の一帯とは別です。

③ 治水地形分類図 更新版(2007-2019年)(国土地理院サイトから)
治水地形分類図更新版(2007-2019年)トイシカラメム
 〈元図の凡例〉 ドット付きの黄色地:低地 扇状地、橙色:台地・段丘 段丘面、萌黄色:低地 氾濫平野
 〈加筆〉 トイシカラメムの位置:赤い
 トイシカラメムは扇状地の扇端ですが、こちらも平岸面は別区分で「台地・段丘 段丘面」とされています。望月寒川以東の月寒台地と同じ色分けです。

④ 産総研シームレス地質図 20万分の1 V2(2006年)
産総研シームレス地質図1/20万 トイシカラメム
 〈元図の凡例〉 萌黄色:(形成年代)新生代第四紀後期更新世後期〜完新世 (岩相)扇状地・崖錐堆積物、水色:(形成年代)新生代第四紀完新世 (岩相)谷底平野・山間盆地・河川・海岸平野堆積物、桃色:(形成年代)新生代第四紀後期更新世中期 (岩相)デイサイト・流紋岩 大規模火砕流
 〈加筆〉 トイシカラメムの位置:赤い
 豊平川の右岸、左岸ともに同じ色で、「岩相」は扇状地・崖錐堆積物です。扇状地の札幌面、平岸面の区別はつきません。

 注目したいのは、というほど大げさなことでもありませんが、2点あります。
 まず、出典によっては札幌扇状地平岸面が「台地・段丘」に分類されていることです。図②③を見ると、札幌の中心部が新旧2回の扇状地で形成されているとは理解しづらい。昨日ブログで私は、扇状地としての平岸面は注目度が低いかのように述べました。責任転嫁めいて恐縮ながら、このような分類が一因にあるのかもしれません。
 もう一つは、平岸面を扇状地として識別するとしても、トイシカラメムがその範囲には含まれていないことです。扇状地札幌面の扇端に位置しています。
 
 平岸面のエリアを言葉で説明すると、次のとおりです。
 平岸面は地下鉄平岸駅を中心とした平岸街道が走る平坦面で、かつてはリンゴ園が広がり、牧歌的な景観が展開していたところである。この平坦面の頂点が真駒内川沿いの警察学校付近(標高九〇メートル)であり、末端部は北海学園大学付近(同三〇メートル)である。それより北では札幌面との境界は不明瞭になり、地形的には札幌面に併合されてしまう。『新札幌市史第1巻通史1』1989年、第1章第3節pp.9-11(太字)
 平岸面の扇頂部は、真駒内川の真駒内橋付近で、豊平区、平岸方面に広がり、国道36号線、豊平橋が扇端である。『さっぽろ文庫44 川の風景』1988年、第4章1豊平川p.159(太字)

 新しい扇状地の札幌面による古い平岸面の“上書き”は現豊平川の左岸のみならず、その下流域の右岸にも及んでいたようです。これらの地質図は前々から目にしていて、通説的に理解してはいました。にもかかわらず5月26日ブログで私は、トイシカラメムを「小泉川が扇状地平岸面を伏流し、国道12号あたりの扇端で湧き出た」と妄想したのです。
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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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