FC2ブログ

札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2020/03/18

札幌の地名と内地の地名 一考察

 お知らせからです。
 UHB(8ch)みんテレ(15:50-)「となりのレトロ」の“総集編”が3月20日(金)、放送されます。CM込みで1時間の予定です。これまで訪ね歩いたあちこちから、幾つかプレイバックされます。ご笑覧ください。
 
 これまでも記してきたように、私が育った愛知県稲沢市は中世や近世の面影がところどころに感じられる町です。
 稲沢市教委編『近世村絵図 解説図』1982年で、私が住んでいたムラを見ると、「今も江戸時代と変わっていないな~」と思います。地割、道、水路、集落の配置など、ムラの骨格がほぼそのまま今日に引き継がれている。2015.1.9ブログ

 小中高時代を過ごしたのは稲沢市梅須賀町といいます(2015.6.7ブログ参照)。現在の人口を調べてみたら、747人です(末注①)。梅須賀町を含む21町が「千代田地区」という地区に属しています。これはいわば中学校区で、面積は10.72㎢、地区の人口は8,126人です(末注②)。もともとは昭和30年代に町村合併する前の「村」に当たります。私が現在住んでいる札幌市厚別区は面積24.38㎢、人口は125,792人です。郷里の旧「千代田村」と較べると、厚別区は面積で2倍強、人口で15倍強になります。(末注③)。

 なぜ、このような比較をするかというと、本題は「地名」です。
 私の郷里である愛知県稲沢市の千代田地区の21の町名を以下、列挙します(太字、末注④)。
 福島町、堀之内町、千代町、千代、梅須賀町、附島町、牛踏町、大矢町、大矢、込野町、北麻績町、南麻績町、目比町、氷室町、坂田町、今村町、西溝口町、板葺町、井堀、野崎町、田代

 一方、札幌市厚別区の町名は以下のとおりです(太字、注⑤)。
 青葉町、もみじ台東、もみじ台西、もみじ台南、もみじ台北、厚別西、厚別町山本、厚別町上野幌、厚別町下野幌、厚別町小野幌、厚別南、厚別中央、厚別東、厚別北、上野幌、大谷地東、大谷地西、下野幌テクノパーク 

 数えると18あります。厳密には青葉町は1丁目から16丁目まであり、厚別中央は1条から5条まであるので、町名としてはもっと多いといえましょう。厚別中央は〇丁目も含めるとさらに多くなります。
 私が注目したいのは、文字の種類です。これも数えてみると、稲沢市千代田地区は39の異なる漢字が町名に使われています。一方厚別区はというと、漢字、ひらがな、カタカナで31です。31といっても、「もみじ」とか「テクノパーク」という仮名も一文字ずつ数えてのことですから、実質的にはもっと少ないとみてよいかもしれません。
 
 これはどういうことか。
 面積が2倍強で人口は15倍強の厚別区のほうが、稲沢市千代田地区に比べて、行政地名として使われている数が少ない。厚別区のほうがシンプルというか、地名が‘記号化’しつつあるといえます。30の文字のうち、東西南北とか上下といった普通名詞が多用されていることからも窺えます。その極致は○条○丁目です。「厚別」とか「野幌」というアイヌ語由来への当て字に起因する読みづらさ(末注⑥)の一方で、「青葉町」とか「もみじ台」といった読みやすさも特徴です。

 我が稲沢市千代田地区の町名は、知らない人が「正しく」読むのは至難です。正しくをカッコ付けしたのは、何をもって正しいとするか疑問の余地もあるからですが、措きます。私が10年余暮らした「梅須賀町」は「うめすかちょう」ではなく「めすかちょう」です。「うめ」ではなく「め」。千代田地区は「ちよだ」ですが、「千代町」は「せんだいちょう」。「麻積」は「おうみ」、「目比」は「むくい」と読みます。「福島」は「ふくじま」と濁り、「附島」は「つけしま」と濁りません。

 さらに、です。
 私の梅須賀町は「字」に細分化されています。その「字」は以下のとおりです(太字、注⑦)。
 阿古根、井島、江崎、江向、御宮田、北鈴置、北天日記、北廻間、石竜、下棒田、須ケ越、田之端、唐人、中切、西北切、西南切、東切、姫苅、午新田、南鈴置、南天日記、南廻間、山之畑、1丁目、2丁目、3丁目、4丁目、5丁目、6丁目、7丁目、8丁目、9丁目
 固有名詞の地名が23、○丁目が9あります。梅須賀町の面積は0.86㎢(末注⑧)、人口は冒頭に述べたように747人です。厚別区と較べると、面積にして約1/28、人口にしてわずか6/1,000しかありません。その中に、23もの行政地名(○丁目は除く)があります。その名前がまた、字面を眺めてお察しいただけるように、なかなか一筋縄ではいきません。「天日記」をなぜ「てんりき」と読むのか。「唐人」(とうじん)は、どんな由来で付けられたのか。「姫苅」(ひめかり)は? 「鈴置」(すずおき)は?「石竜」(こくりゅう)は? アタマがくらくらしてきそうです。

 注①:稲沢市ウエブサイト「人口と世帯数」ページ「最新町別人口調査表」(2020.3.1現在)による。→http://www.city.inazawa.aichi.jp/shiseijoho/toke/jinko/index.html
 注②:千代田地区の面積は同上サイト「統計・人口」ページ「地区別人口・世帯数・面積」による。同人口は最新の注①の「最新町別人口調査表」から算出した。「地区別人口・世帯数・面積」による千代田地区の人口は7,782名(2015年現在)である。→ http://www.city.inazawa.aichi.jp/shiseijoho/toke/toke/1002689.html
 注③:札幌市サイト「札幌市統計書」ページ「札幌市統計書(平成30年版)-土地及び気象」第1章「位置及び広がり」による。→ http://www.city.sapporo.jp/toukei/tokeisyo/01land30.html 人口は2020年2月1日現在(「広報さっぽろ」厚別区版2020年3月号記載)による。
 注④:注①「最新町別人口調査表」による。
 注⑤:札幌市サイト「住民基本台帳人口」ページ 「町名・条丁目別世帯数及び人口」による。→ http://www.city.sapporo.jp/toukei/jinko/juuki/juuki.html#jou-choume
 注⑥:「厚別」は、知らない人が音訓を意識して読んだら「コウベツ」となりかねない(2018.8.25ブログ参照)。
 注⑦:YAHOO!JAPAN地図サイト「愛知県稲沢市梅須賀町」ページによる。→ https://map.yahoo.co.jp/address?ac=23220&az=276
 注⑧:国土地理院サイトで概略計測
スポンサーサイト



≪ 札幌の地名と内地の地名 一考察②ホーム清田1条3丁目の小祠 再々掲 ≫

Comment

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿

管理人にのみ表示する

Track Back

TB URL

Home

 

プロフィール

keystonesapporo

Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

カレンダー

05 | 2020/06 | 07
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

最新記事

最新コメント

カテゴリ

閲覧者数(2015.9.4からカウント)

検索フォーム

ランキング

↑ クリックすると、ランキングが見れます。

月別アーカイブ

管理画面

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

最新トラックバック