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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2020/01/10

怪物路 ⑦

 『北村村史』(旧村史)1960年に、「泥炭地分布図」が添付されています。
北村村史 泥炭地分布図
 方位は昨日ブログに載せた地図同様、おおむね1時半の向きが北で、色塗りされている一帯が村域(当時)です。色分けの凡例は次のとおり。
 橙色:高位泥炭 桃色:中位泥炭 黄色:底(ママ)位泥炭 緑色:真土(末注①)
 村域の大半が泥炭地です。池沼を水色でなぞりました。数多く点在しています。三等三角点「怪物路」の位置にを付けました。
 昨日ブログの「等高線・三角点図」で見ると、標高は一番高いところで15.0m、もっとも低いところで7.5mです。おおまかには、画像右下、岩見沢市との旧村界(左右に伸びる直線の右端)あたりが高く、画像左方、石狩川の下流沿いが低くなっています。全体にほとんど平坦で、しかも水分を多く含んだ土地です。

 前掲図の三角点「怪物路」のあたりを拡大します。
北村村史 泥炭地分布図 三角点「怪物路」あたり
 水色の直線でなぞったのが「三ケ月(三日月)排水」です。

 私は昨日ブログの末尾を「『怪物路』は『バケモノミチ』だったのではないか」と括りました。「点の記情報」を閲覧できればふりがなも確かめられるのですが、差し当たっては判りません。国土地理院に直接訊いてみようかしら。
 仮に「バケモノミチ」だとして、どの道を指すのでしょうか。昨日引用した村史だけでは識別できません(末注②)。やはりあらためて現地を訪ね、口承を聞き取りたいものです。

 もう一度、「石狩川三角網図」(石狩川治水事務所『石狩川水系一.二.三.等三角点成果表』)を見渡しました。
石狩川水系三角網図 三角点「怪物路」あたり抜粋-2
 周辺のほかの点名と較べたとき、「怪物路」は傑出しています。どんな思いで名づけたのでしょうか。私には、自然と人間の格闘が滲み出ているようにも感じられます。土地の記憶を伝える三角点です。

 現地まで私をクルマで運び、探索にもつきあってくれたK君(妻の甥)に、重ねて感謝します。
岩見沢市北村豊正 三角点「怪物路」探訪-10
 腐食して倒れていた標柱を風で飛ばされないように横たえて、現地をあとにしました(了)。
   
 注①:「泥炭は、構成する植物の種類や堆積した環境によって、“低位泥炭” “中間泥炭” “高位泥炭”に分類される(二ツ川健二「柔らかい地盤の形成」『さっぽろ文庫77 地形と地質』1996年、p.220)。沼の周辺が植物によって埋められ、低位泥炭が堆積(植生は札幌ではヨシ、ハンノキなど)→水位が低くなり、中間泥炭が堆積(植生はヌマガヤ、ワタスゲなど)→さらに堆積が進み、泥炭地の中央が盛り上がる→地下水位がいっそう下がり、高位泥炭が堆積(植生はミズゴケ、ホロムイスゲなど)。なお、「真土」(まつち)は、「耕作に適する良質の土」(広辞苑)で、北村では旧美唄川の流域に分布している。
 注②:『北村史(下)』1985年「資料編」には村内の道路の一覧も添えられているが、「怪物」「ばけもの」に類する路線名は見当たらない。まあ、正式な道路名にはなりづらいだろう。
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≪ 一円融合ホーム怪物路 ⑥ ≫

Comment

読み応えがある一連の記事でした。そのまんまバケモノ排水なんてものがあったんですねぇ。幽霊路にしなかったのは怪物の方がまだ聞こえがいいかな?などと思ったのでしょうかね。
いずれしろそのまんま名付けてしまったセンスは大好きです。

三日月排水の由来も少し気になりました。三角点の名称が付いた後に整備され、その際に三日月という名前になったのだと想像し、大小それらしき形の沼が近くに複数あるのでそれかなぁなんて思ったりしたのですがどうなんでしょうか。
ネーミングそのものも、当時の担当省庁の方が「さすがに怪物だの幽霊はちょっと…」となったと妄想するとクスっとしてしまいます。

平成12年8月28日更新の三等三角点の記「怪物路」(ふりがな:かいぶつろ)によると

選点「大正3年5月9日」
造標「大正3年6月18日」

当時の泥炭地に造標する技術があったことが、この色分けされた画像で見えます。

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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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