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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2015/02/13

北1西1再開発

 北1条西1丁目です。
北1西1地区
 ここで市街地再開発事業が進められています。「札幌創世1.1.1.区(そうせいさんく)」です。2月3日、起工式が行われました。
 
 この場所が、2018年にはこんな感じになるそうです。
北1西1再開発完成予想図
 再開発組合のパンフレット(2015年1月発行)に描かれているイメージ図です。
 28階建ての超高層オフィスビル、放送局、市民交流複合施設(オペラ、バレエなどのホール、図書館)ができます。本年2月4日北海道新聞札幌圏版によると、事業費総額は780億円とのこと。

 この北1西1地区の一角にかつてあった建物がこちらです。
旧北海道ホルスタイン会館
 旧北海道ホルスタイン会館。1949(昭和24)年に建てられました。1960年代半ばには王子製紙の所有となりましたので、その時代のほうが長かった建物です。王子サーモンの直売店にもなっていました。 

 この地の再開発事業が具体化する中で、大手ゼネンコンをはじめとるする企業6社に売却され、2012(平成24)年2月に解体されました。
旧ホルスタイン会館 解体風景
 解体工事中の風景です。

 解体は「耐震上の危険」という理由でしたが、実際上は再開発事業において保存活用の余地がないとされたことでした。否、建物を所有する企業と札幌市(すなわち再開発の事業母体)にその意思がなかったというべきでしょう。耐震的に問題があっても意志があれば保存活用が可能であることは、昨日のブログで紹介した例が示すとおりです。
 地場の一中小企業であっても、意志があれば建物は残る。日本を代表するようなゼネコンと大札幌市であっても、意志がなければ残りません。これはその是非を問う以前の、厳然たる事実です。

 道外の人から「古いものを大切にしない」札幌人などと言われますが(2月11日ブログ参照)、いくら大切にしたくても私には北1西1の土地と建物を買い取る資力はありませんので、仕方ありません。で、せめてできることはと考えたのが、再開発事業でできる建物の片隅に‘土地と建物の記憶’を遺してもらうことです。私は目下、札幌建築鑑賞会の代表という立場で再開発組合の事務局とその打合せをしています。

 下図はこの地にできる建物の1階平面のイメージです(前掲再開発組合パンフから)。
北1西1再開発 1階平面
 建物の北側に駐車場へ出入りするエレベーターホールが設けられます。その壁面の一つ6㎡で記憶を継承してもらうこととしました。黄色の●を付けたところです。ちょうど、かつてホルスタイン会館があった場所に当たります。この図面に「バックスペース」と書かれているとおり、北側は‘裏手’になります。晴れやかなオモテは南側の市民交流複合施設ができるほうです(前掲のイメージ図で描かれている)。

 記憶の継承に使ってもらうのが、こちらです。
ホルスタイン会館 解体煉瓦
 ホルスタイン会館の建物に使われていた煉瓦です。解体工事のときに文字どおり瓦礫となった一部を分けてもらい、札幌建築鑑賞会スタッフ3名宅で保管してもらっています。この煉瓦の‘歴史的意義’については、当会でまとめた『王子サーモン館 土地と建物の記憶』2014年で詳しく記しました。同書は市内図書館で閲覧できるほか、希望者に頒布しています。
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Comment

普通に考えて、この建物をそのまま残す場合、100坪くらいの土地が1階から28階まで失われたとして、坪単価20000円×100坪×28階で、約6000万円/月の収入が失われる計算です。
コレを天秤にかけて残す価値があるかどうかです。移設ならどうか?費用はどれぐらい?
自分には、その価値が無いとしか思えない。

>地場の一中小企業であっても、意志があれば建物は残る。日本を代表するようなゼネコンと大札幌市であっても、意志がなければ残りません。これはその是非を問う以前の、厳然たる事実です。

短絡的な考えでの他者の批判は如何なものか。
意思を問う前に価値を問うべきではないですか?

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keystonesapporo

Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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