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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2019/11/03

「子ども顔負け」の大人に、私はなりたい。

 逆に、子どもに対する「大人顔負け」という形容は、ステレオタイプです。7月に石山緑小学校(札幌市南区)での修学旅行報告会を聴き、実感しました(2018.7.187.19ブログ参照)。どうも私には「子どもとは、こういうもの」という固定観念がこびりついていたようです。

 「札幌市児童生徒社会研究作品展」(第40回)を観覧して、その刷り込みがまた剥がされました。
第40回札幌市児童生徒社会研究作品展 展示風景
 札幌市の小中学生がさまざまなテーマで「社会研究」した成果を発表しています。主催者の方に伺うと、だいたい夏休みを研究に当てているそうです。

 特に私の興味を惹いた作品を以下、お伝えします。著作権も考慮して(?)大まかな画像にとどめますが、雰囲気だけでも味わってください。

 「火山活動から生まれためぐみ~札幌の大地をつくった支笏火砕流~」(小学6年生)。
第40回札幌市児童生徒社会研究作品展 「火山活動から生まれためぐみ」
 
 「ウォータータウン『サッポロ』~今昔マップで見えたもの~」(小学6年生)。
第40回札幌市児童生徒社会研究作品展「ウォータータウン『サッポロ』~今昔マップで見えたもの~」

 「平岸リンゴから見える受け継がれた伝統」(小学6年生)。
第40回札幌市児童生徒社会研究作品展「平岸リンゴから見える受け継がれた伝統」

 「1972年札幌オリンピックの五輪のマークを探して」(小学5年生)。
第40回札幌市児童生徒社会研究作品展「1972年札幌オリンピックの五輪のマークを探して」

 「白石区最古の道」(中学2年生」。
第40回札幌市児童生徒社会研究作品展「白石区最古の道」

 拙ブログの読者の皆様には、これらのテーマの作品を私が紹介した気持ちをお察しいただけるかと思います。表現力の豊かさにまず、感銘しました。のみならず、論文の流儀作法(問題意識の所在-研究の視点・方法-内容-結論)を皆さん心得ているのですね。先生や保護者の方の助言もあるのでしょうが、完成度が高い。
 それぞれから教えられたことは多々ありましたが、「ほう!」と私のツボが心地よく刺激されたものを一つだけ、記します。最後に載せた「白石区最古の道」からです。白石区最古とされる通称「山道」(末注①)について、作者のN君は「ここら辺には山らしい山はない」、「国土地理院のホームページで断面を調べてみると山道にはほとんど勾配がない」のに、「なぜ、山道という名前なのでしょうか」と問題を立てました。N君自身が推理した二つの説を以下、引用します(太字)。
 ①当時の道は細く深くぬかるんで歩くのが大変だったため、険しい山道に例えられた。
 ②明治5年に横丁通りが作られた頃、札幌神社(現北海道神宮)が建設されており、山道が斜めに真っ直ぐ整備された時に円山方面へ向かう道ということから「山(へ向かう)道」と呼ばれるようになった。
 

 私の「ほう!」は②です。N君の作品には、次の地図が添えられています。
第40回札幌市児童生徒社会研究作品展「白石区最古の道」 山道
 「山道を一直線上に伸ばす時 札幌神社にぶつかる」と。
 そうか。「山道」は「山アテ道路」(末注②)だったのか。 

 感心してばかりでは何ですので、“注文”も一つ。前掲の諸作品には、「どこかで見たことがあるな」という図版が散見されました。スペースの制約もありましょうが、依拠した引用資料や参考文献、使用した史料の出典の明示を望みます。中学生のN君の作品には、記述に典拠が逐一添えられていました。さすがです。小学高学年だと難しい? いえ、前掲の研究レベルの高さからして、そんなことはありません。「ここまでが既往の到達点で、ここからが自分の成果」だと示されると、ありがたいものです。先人の業績へのリスペクトもまた、「社会研究」から学ぶことといえましょう。

 「社会研究作品展」は、明4日(月・振休)も午前10時から午後3時まで開催されています。「かでる2・7」1階の展示ホールにて。

 注①:「山道」については2019.3.2ブログ参照
 注②:畑山義人「山アテ道路。北海道の直線道路ミステリー」ドーコン叢書1『エンジニアの野外手帳』2011年、pp.88-101参照
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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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