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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2019/09/24

クラーク博士“Boys, be ambitious!”はどこで発せられたか?

 9月13日ブログの続きです。
 クラーク先生が発した“Boys, be ambitious!”のあとに続く‘like this old man’は、寒地稲作の功労者、中山久蔵を指すという説を聞きました。聞いた場所は、ほかならぬ久蔵翁が駅逓を営んだ島松の地です。史跡「旧島松駅逓所」の解説ガイドさんが語ってくださいました。ガイドさん曰く「これは私たちがそう言っているのではなくて、道庁赤れんが庁舎に飾ってある絵に描かれているのです」と。それで、9月13日ブログで、くだんの絵を紹介したしだいです。

 私は同日ブログを「私が言いたいのはかような次元を超えたところにあります」と結びました。「かような次元」とは、「‘this old man’=中山久蔵」説に対する疑義です。なぜ、その次元を超えてしまったか。まずは、そもそもクラーク先生の馬上別離の訓言自体が神話性を帯びているからです。ただし、私はそれを過去形でしか知りません。北大構内の胸像しかり、羊ケ丘展望台(2017.4.15ブログ参照)の全身像しかり、島松の地のモニュメント(9月5日ブログ参照)しかり、それらが出来上がった(=神話化に貢献した)のは昔のことです(末注)。
 しかるに今般のガイドさんの話には、神話が作られていく現在進行形を私は感じ取りました。ここで神話というのは、「‘this this old man’=中山久蔵」説を虚偽だとする意味ではありません。神話とは、ガイドさんの話が道庁赤れんが庁舎に架かっている絵=二次情報に基づいていることの隠喩です。もとより、だからケシカランということでもありません。私が伝えたかったのは、物語が紡がれていく過程を目の当たりにできたことへの、いわば感動です。

 北広島市のカントリーサインにも、クラーク博士とおぼしき人物像が描かれ、“Boys Be AMBITIOUS”と書かれています。
北広島市 カントリーサイン 厚別区青葉町所在
 うしろの信号機柱に付いている町名板に「青葉町16」と書かれているとおり、札幌市厚別区青葉町の国道274号で確認しました。札幌市を示す標識と北広島市を示す標識が同じ場所に立っていて、これはこれで私には「いいモノを見た」感が催されるのですが、それは措きます。クラークの絵柄が、訓言を発したという馬上ではなく羊ヶ丘展望台の立像をモチーフにしているところにもキッチュ感が伝わってきますが、それも措きます。
 私は最近、クラーク先生が“Boys, be ambitious!”の訓言を発したのは現在の北広島市ではないとする説を知りました。林嘉男『ふたつの駅逓』2007年です。サブタイトルに「クラーク博士は恵庭で叫んだ」とあります。クラークが1877(明治10)年に学生らと別れたのは、島松川の右岸、現在の恵庭市島松沢にあった駅逓だというのです。私はこれまで、左岸すなわち北広島市の「旧島松駅逓所」建物(8月25日ブログ参照)とその傍らの「青年よ大志を懐け」モニュメントに刷り込まれて、北広島市と信じて疑いませんでした。そうではないという。これだから、神話は面白い。

 注:近年、札幌の時計台(旧札幌農学校演武場)にもクラーク座像が置かれた(2017.10.15ブログ参照)。これは私もリアルタイムで体験できた。
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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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