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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2019/09/17

大門 再訪

 昨日9月14日ブログに載せた名古屋一帯の標高図などを俯瞰すると、地元民にはわかりきった話ですが、‘東高西低’という地形が見えてきます。
 これで思い出したのが、ある銀行系シンクタンクの研究員のレポートです。前に電網上で読みました。名古屋市内の公立高校間において‘東西格差’があるという分析です。現在そのサイトが見つからないので正確な引用はできないのですが、地元名古屋大学の合格者数がおおまかに市東部の学校では多く、西部の学校では少ないことを根拠にしていました(末注①)。東西で明らかに差があるというのです。‘格差’の境目は、どうも熱田台地の縁(象の鼻筋)にあるらしい。物理的高低と心理的高低は相関するのか。
 筆者は、1970-80年代に実施されていた「学校群入試」(2018.5.23ブログ参照)が廃止されたことで、その傾向が一層強まっていると指摘する一方、このまま東高西低を放置するのではなく、格差是正の措置を講じるよう主張しています(末注②)。

 さて、先般の名古屋行では、私にとってなじみ深い‘西低’(あくまでも地形的に、です)の地域を逍遥しました。
名古屋 大門 アーチ
 中村区の「大門」(おおもん)です(2015.3.4ブログ参照)。

 かつての遊廓跡地に集合住宅が建っています。
中村遊郭跡 妓楼の遺構?
 大きな縁石は妓楼の遺構かしら。

 2015.2.27ブログに載せた1999(平成11)年撮影画像を再掲します。
旧稲本楼②
 元「稲本楼」。当時は料亭でした。
 前掲画像と較べると、旧稲本楼の右方に写る集合住宅が前掲の縁石の背後の建物ですね。つまり20年前の時点で、縁石の敷地に妓楼はすでになかったようです。

 このたび、旧稲本楼も姿を消していることを確認しました。
中村遊郭 稲本楼跡(左方)
 縁石のある集合住宅の左方に建っていたのですが、空き地になっています。
 
 1946(昭和21)年米軍撮影の空中写真で中村遊郭を俯瞰しました。
空中写真1946年米軍 中村遊郭 
 赤い□で囲ったところが稲本楼の位置です。縁石の集合住宅は東隣に当たります。ロの字平面からすると、やはり妓楼だったようです。それにしても、ものの見事にロの字平面ですね。魔界的気配が、上空にも立ち昇っています。
 周辺で白っぽく写っているところはどうも、建物跡地のように見えます。空襲の焼け跡か、疎開跡地か。

 注①:大ナゴヤ人元気会編『ニッポン不思議発見!名古屋の謎だぎゃあ』1992年、pp.48-50参照。私が地元にいた頃、愛知県では「名古屋大学至上主義」ともいうべき進学事情がはびこっていた。ブロック紙『中日新聞』は毎春、高校別の「名大合格者数」ベストテンを報じていたものだ。いま、「めいだい」と入力して変換したら「明大」と出たが、愛知県でメーダイといえば名大=名古屋大学である。おそらく現在もさほど変わらないだろう。
 注②:現在大学教授を務めている筆者のE氏は、学校群入試の体験者である。E氏が受験したのは東部の‘特上’校と西部の‘並’校を組み合わせた学校群で、合格先は後者(西部)の学校だった。卒業後名大法学部に進んだE氏は、自身の高校時代には満足しつつ、周囲には‘被害者’意識を苛む同級生がいたことを回想している。この心境は学校群入試を体験した者でないと実感できないかもしれない(本年6月10日ブログ参照)。くしくもというべきか私は、E氏と同じ学校群を受け、同じ学校を合格、卒業した‘先輩’に当たる。悪平等主義の権化ともいえるこの入試制度は結局廃止されたが、体験者にしてみると「オレたちは実験台だったのか」という怨みつらみは残る。ただし、同じ当事者だったE氏が制度を肯定的に総括し、地域格差の問題として改善策を前向きに指示しているのは傾聴に値する。
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≪ 中村遊郭の立地考察ホーム名古屋 堀川に原河川はあったのか? ≫

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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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