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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2019/09/05

島松駅逓での訓え

 北広島市島松、「旧島松駅逓所」の傍らに碑が立っています。
北広島 島松 「青年よ大志を懐け」碑、「寒地稲作この地に始まる」碑 
 右側が「青年よ大志を懐け」碑、左側が「寒地稲作ここに始まる」碑です。8月25日の「古き建物を描く会」第66回で訪ねたときに鑑みました。同日ブログで記した「案内してくださったガイドさんから私は初めての話を聴いたりして、面白かった」というのは、右側の碑にまつわることでもあります。

 この碑はよく知られるように、かのクラーク博士にちなむものです。1877(明治)10年、先生が札幌農学校の務めを終えて札幌を去るに際し、見送りに来た学生らにこの地で“Boys, be ambitious!”と告げて別れたことを記念して、1950(昭和25)年に立てられました。
 先生の馬上訓言はかなり人口に膾炙していると思います。内地で生まれ育った私も、たしか小学生のときに聞きました。中学のときには教頭先生が始業式か終業式か、はたまた卒業式のときだったか、「クラーク博士の『少年よ、大志をいだけ」の言葉には続きがある」と話したことがあるのも、おぼろげに記憶しています。続くのは「金や名誉のためではなく」云々と。‘知られざるエピソード’とばかりの得意げな口吻が耳朶に残っています。しかし後年札幌に来て、この続き文句云々は“尾ひれはひれ”の類と知りました(末注)。後世の第三者の解釈が独り歩きしたらしい。クラーク先生の“名言”から百年近くを経て、内地の田舎の学校の式典でそれが真面目に語られるところに神話性がにじみ出ています。
 これとは別に、“Boys, be ambitious!”にはもう一つ、続きがあったこともあとから知りました。‘like this old man’です。どうも、こちらは信憑性が高い。馬に乗ってもうこれでお別れというときに延々と講釈を垂れることは考えづらいのですが、短いフレーズならありえます。
 実はこのたび北広島でガイドさんから初めて聴いたのは、‘this old man’が誰か?です。私はこれまで、クラーク自身を指すと思ってました。諸君、この私のように野心的であれ、と。それが、ガイドさんの話では違ったのです。
 
 注:岩沢健蔵『北大歴史散歩』1986年、pp.196-198
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1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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