FC2ブログ

札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2019/08/15

74年前の今日

 昨年8月9日ブログで「石山通りの幅員減少現象 再考」を記しました。その日の北海道新聞夕刊に掲載されていた投稿記事を引用してのことです。投稿した女性は1945(昭和20)年8月15日、「石山通り沿いで道路拡張のために、民家を取り壊していた」のを目撃していました。記事に「終戦をまだ知らなかったのだろう」と続けられていたことから、私は建物疎開だったのではないかと想像したのです。記事にはさらに、女性が「監視隊本部」に勤めていたとも書かれていました。私は同日ブログを「『監視隊』がどんなことをしていたかなど、できれば直接お話をお聴きしてみたいものです」と結んでいます。

 実はその後、私はこの女性への連絡を試みました。どうやって試みたか。紙面には女性のお名前と年齢のほか、住所は区名までしか載っていません。新聞社に問い合わせることも考えましたが、先方の連絡先をすんなりと教えてもらうのはとりわけ昨今、ありえないことです。仲介の労を取ってくれるかどうかもわかりません。そこで、もっとも原始的な方法を選びました。電話帳を繰って同じ苗字の人をリストアップし、片端から電話をかける。

 その結果は…。
 幸いなことに、9人目でたどり着けました。見ず知らずの者にお答えくださったことをありがたく思います。女性が目にしたのはやはり建物疎開であり、それが現在の国道230号石山通のどのあたりかも、わかりました。

 1948(昭和23)年の空中写真(米軍撮影)で、あらためて石山通を俯瞰します(2017.4.4ブログ参照)。
1948年空中写真 石山通 建物疎開 再掲
 赤い実線でなぞった南北に通じる道路が石山通で、その北端、東西に伸びているのが大通公園です。南6条の交差点を黄色の○で囲みました。

 昨年8月9日ブログに記したように、石山通は現在、この交差点の南側で幅が狭まっています。私はこれを建物疎開の痕跡と推理しました。交差点の南東角を、疎開の“し残し”すなわち「1945年8月15日をもってタイムオーバー」とにらんだのです。さらにその南側は、「ところどころ空地が見られるものの、家屋の残存が目立ってきます」(2017.4.4ブログ記述)。

 さて、それでは前述の投稿女性が“証言”する「民家を取り壊していた」場所は、どこだったのでしょうか。
 お聴きしたのは「南8条、9条の西10丁目あたり」とのことです。現在のその区域を前掲画像に黄色の□で囲みました。
 そのあたりを拡大します。
1948年空中写真 石山通 建物疎開 再掲 南6~9条西10丁目あたり拡大
 ちょうど、「ところどころ空地が見られる」一帯と合致します。

 くだんの女性は当時、南8~9条の西11丁目にお住まいだったそうです。黄色で囲った付近の石山通をはさんで向かい側に当たります。壊していたのは「お風呂屋さん」だったといいます。信憑性が伝わってきました。ちなみに、石山通の南8、9条で東西に交差する道路は現在の「菊水・旭山公園通」で、この両側も疎開らしき形跡が窺われます。
 石山通を建物疎開していたこと、しかも1945年8月15日までやっていたこと、それがちょうど現在の幅員減少の少し南側だったことの“目撃証言”を得られました。これまで、ほぼ戦後の空中写真からの想像の域を出なかったのですが、南6条の幅員減少は疎開の痕跡との思いをいっそう強く抱いたしだいです。

 本日の道新朝刊でも、「終戦記念日にちなんだ投稿」を特集して掲載しています。「戦争体験者が減り、戦争を知らない世代が増えてい」る(同記事リード)こんにち、原体験者の“証言”は貴重です。嗚呼、一緒に暮らす私の母も、93歳の生き証人ではないか。
スポンサーサイト



≪ 奈井江町の住友ホーム穴の川の「穴」 ≫

Comment

コメントの投稿

管理人にのみ表示する

Track Back

TB URL

Home

 

プロフィール

keystonesapporo

Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

カレンダー

08 | 2019/09 | 10
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

最新記事

最新コメント

カテゴリ

閲覧者数(2015.9.4からカウント)

検索フォーム

ランキング

↑ クリックすると、ランキングが見れます。

月別アーカイブ

管理画面

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

最新トラックバック