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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2015/01/22

マリヤギャラリーでの好企画展

 札幌の老舗・マリヤ手芸店です。
マリヤ手芸店
 ここの3階の「マリヤギャラリー」で催されている「昭和初期の札幌 画家笠井誠一の原風景」展を観てきました。

 1月25日から札幌芸術の森美術館で開催される「笠井誠一展」の関連事業です。
マリヤ手芸店 展示
 なぜ関連かというと、「マリヤ」が誠一氏の‘実家’に当たるからです。同店所蔵の誠一氏及びご親族の作品が展示され、‘原風景’を跡づけることができます。

 ご親族というのは、誠一氏の兄・本間章介さん、母・本間テイさん(マリヤ創業者)、叔父・本間紹夫(あきお)さんです。
 テイさんや紹夫さんのろうけつ染め、章介さんの油彩などが展示されていました。ご兄弟でも異なる画風(と私には見えた)が印象的でした。また、テイさんの祖父(つまり誠一氏の曽祖父)で、本間梅翁(ばいおう、新潟県佐渡島)という人の絵もありました。皆さん上手です。

 テイさんの父は本間清造といって、札幌の郷土史には馴染み深い方です。「北海石版」という印刷業を営んでいました。今回、マリヤと北海石版の繋がりを初めて知り、札幌の地歴オタクの私には興味深いお話ばかりでした。以下は、マリヤ社長の松村さん(誠一氏の甥)及びそのお母上(誠一氏の姉)からお聞きしました。

 北海石版については、札幌の古地図を渉ると必ず目にします。
 
 例えば、この「札幌市街之圖」(一部抜粋)。
札幌市街之圖
 1901(明治34)年発行です。欄外に「北海石版印刷所」「本間清造」の名が記されています(黄色の矢印)。
 本間家は佐渡・両津のご出身だそうです。この地図もよく見ると、本間清造の住所が「新潟縣佐渡國…」とあります(越後から庄内にかけては「本間」という姓が多いことで知られる)。

 それから、今回の展示の案内ハガキに載っているマリヤ旧店舗の建物。
マリヤ手芸店 展示案内
 この建物は元々北海石版の社屋だったそうです。1926(昭和元)年、その一角でマリヤが生まれました。現在の北2条西3丁目、駅前通りに面したところです。

 この地図は1928(昭和3)年発行の「最新調査札幌明細案内図」(一部抜粋)です。
最新調査札幌明細案内図
 黄色の矢印の先、「北海石版所」の北西角に「毛糸 マリヤ」とあります。

 建物本体は古典様式を模した(半円アーチの屋根破風に棟飾りを載せているところは擬洋風か)感じですが、これにモダニズムな出っぱり(カタカナ縦書きで「マリヤ」とある)が付いています。ロシア構成主義かデ・スティルのような出っぱり。かてて加えて、村山知義のマヴォを彷彿させるような maRIyaのロゴ。この出っぱりとロゴ(路上の行燈広告も)は田上さんがデザインしたとのこと。北海石版の跡を継いだ紹夫さん(誠一氏の叔父)が田上さんと親しかったそうです。さすが田上さん、強引な、もとい大胆なことをやるなあ。

 このほかにも、さらに面白い(郷土史好事家向けの)話をお聞きしたのですが、日をあらためます。
 肝心なことを…。この展示は2月3日(火)まで。午前10時~午後6時(水曜定休)、無料(芸森の展示のほうは有料)。
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≪ マリヤ手芸店、北海石版、女夫龍神、馬車道ホーム中根邸跡に建つマンション(続) ≫

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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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