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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2018/09/20

地震と石造り建物

 私が所属している「小樽軟石研究会」というグループで、このたびの大地震に伴う石造り建物の被災のことが話題になっています。震源地に近い安平町で石造りが倒壊または損壊したという情報が伝わってきたからです。私は人づてに間接的にしか聞いていないのですが、添付された画像を観る限り大きなダメージを受けています。被災された方にお見舞い申し上げます。

 私は不勉強ながらこれまで、安平町に石造りの建物があることを認知してませんでした。何年か前にテレビで同町の市街地が映されている中にチラッと見えて、「ああ、安平にもあるんだ」と思っていたくらいです。ましてや建物の石材がどこの産か、知ることもありませんでした。画像で見た様子と同町の地理的な位置関係からすると札幌軟石の可能性が高いように思います。私としては無関心ではいられません。といっても、現地に足を運ぶことは今の私には難しく、もどかしく思います。

 研究会で話題になったのは、端的にいうと「石造りの建物は、やはり地震に弱いのか?」です。
 組積造建築の耐震性は私が申すまでもなく、昨日今日の課題ではありません。いわば、関東大震災以来90年に及ぶといってよいでしょう。もし、このたびの被災地でのできごとをもって「石造りの建物は、やはり地震に弱い」の根拠に加えるとするならば、私は最低限次のことを明らかにする必要があると思います。

 ①当該被災地の建造物は、全体的にみてどのような被災か?
 ②その中で、組積造(石、煉瓦)はどのような被災か?
 ③ひとくちに石造りというも、当該建物はどのような構造か? 純石造か、木骨か、他の補強材が入っていたか、石材の厚みは?

 たまたま「NPO法人歴史的地域資産研究機構」(れきけん)のTさんとメールでやりとりしたところ、Tさんが同団体のフェイスブックに関連事項を投稿したことをお聞きしました。
 ↓
https://ja-jp.facebook.com/NPO法人歴史的地域資産研究機構れきけん-290990687728310/

 状況に少し近づくことができました。フェイスブックによると「北海道ヘリテージ・コーディネーター」のYさんが現地で活動されたそうです。…と拙ブログを綴っていましたら、当のYさんから直接電話をいただきました。TさんがYさんに私の疑問を転送してくれたのです。

 私はこのことに限らず、間接的な二次、三次情報をもとにして憶測でモノを言うのは慎みたいと思っていました。その意味で、現地を直接体感したYさんとお話できたのは大変ありがたいことです。
 お話して知ったのですが、Yさんはご実家が安平町!だったのです。ご実家は幸い大きな被害はなかったそうですが、「見慣れた風景が変わってしまった」と話してくれました。そのような切ない話題にもかかわらず、お電話をくださったことをかたじけなく思います。
 
 結論的にいうと、私の疑問の①②に対する答えは次のとおりです。
 石造りのある安平町の市街地(末注)は、木造も含め「危険」判定(赤紙)、「要注意」判定(黄色紙)された建物が多い。石造りは市街に3棟あり、2棟が倒壊、1棟はひび割れした。ひび割れの1棟も「危険」判定の赤紙が貼られている。倒壊の2棟のうちの1棟は元医院で、近年カフェに再利用されていた。2階建ての2階部分は全壊した。Yさんは1階部分の軟石だけでも何らかの形で遺せないかと願ったが、昨日から解体撤去工事に入っている。

 お話からすると、石造りだけがピンポイントで倒壊したわけではないようです。Yさんによれば、市街地は比較的建築年代の古そうな建物が多く、「危険」判定されています。一方、新しい住宅はそうでもない。
 石造りとか歴史的、ということもさることながら、比較的古い年代の、特に住宅の耐震性全体に目を向ける必要があります。現時点で私はそう思いました。あくまでもYさんを通しての、これもまだ間接情報なので断定はできないのですが。
 では、耐震性とか安全確保をどのように考えたらよいか。紙幅ならぬウエブ幅が長くなりましたので、別にあらためます。

 余談ながら、北海道庁のウエブサイトを見たら、安平町では「石倉」が2件、町指定の文化財となっています。Yさんから情報提供いただいた3棟に含まれるようです。

http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/bnh/bunka_hogo_toppage.htm 「市町村指定等文化財一覧」
 文化財指定されていることは、私にはある意味で意外でした。

 注:安平町は旧早来町と旧追分町が合併してできた。ここでいう市街地は旧早来町である。
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≪ 福住六軒のなぜ?ホーム中島児童会館の「会」 またはカマボコ ≫

Comment

いつも興味深く拝見しております。
今回の地震の震源地がこの辺りですので、震度7もの大きさの地震が真下で起こればどんな建物でも倒壊の危険があると思います。
私が少し不思議に思うのは、貴ブログでは、あまり建物の災害リスクに触れられていない割には、下に書かれているように土地の災害リスクに触れているという所です。

例えば、後藤会館を例に挙げますと、漏電で焼失しましたが、このブログで扱った物件に同じリスクを孕んでいるのもあるかと思われます。
しかしながら、今回の地震では、貴殿は被災地まで赴き、茫然自失の現地住民に対し液状化の可能性があったことを説明なさってる。
そこで私は思ったのですが、倒壊した古い建物の持ち主に同じことが出来るだろうか?

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keystonesapporo

Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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