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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2018/04/11

丘珠の軟石タマネギ倉庫

 東区丘珠町の札幌軟石倉庫二棟を訪ねました。

 まず伏籠川右岸側のGさん宅。
丘珠町 Gさんタマネギ倉庫 全景
 こちらは現役のタマネギ農家です。

 カマボコ屋根、軟石の表面は機械彫り、軒や破風にコンクリートの梁や桁が廻されています。側壁にはバットレス(控え壁)で補強。
 軟石の倉庫でカマボコ型屋根というのは珍しいと思います。私が知る限り、ここの一棟のみです。軟石ではたいがい切妻屋根(納屋だと腰折れ)で、鉄骨造鉄板またはトタン貼りになるとカマボコ型に変わってきますが。つまり、本件は軟石から鉄骨造に代わる過渡期の築と思われます。タマネギ倉庫で軟石切妻は昭和30年代に集中しているので、本件はその後の昭和40年代か。軟石の機械彫りからしても、昭和30年代ということは考えづらい。
 
 持ち主のGさんに伺うと、建てられたのは1971(昭和46)年とのことです。タマネギを収蔵していたのは「20年くらい前まで」で、面している道路の改良に伴って地盤が上がり、リフトを入れづらくなって入れるのをやめました。現在は物置です。

 櫛形の破風に、家紋が刻まれています。
丘珠町 Gさんタマネギ倉庫
 「亀甲四方花菱」というのだそうです。

 軟石の表面は…。
丘珠町 Gさんタマネギ倉庫 チェーンソー痕
 チェーンソーの痕が美しい。

 倉庫の傍らには…。
丘珠町 Gさん プラウ
 プラウ? カルチベーター? オブジェのようです。

 隣には…。
丘珠町 Gさんタマネギ倉庫再利用ラーメン店
 明らかに元タマネギ倉庫とおぼしき建物が、ラーメン店です。こちらもカマボコ屋根と思いきや、棟(むね、屋根のてっぺん)が通っています。破風を見ると、尖塔アーチ形です。これは何屋根というのでしょう?

 ところで、「一番星」という店は30年以上前から焼き肉店もありました(末注)。いまはラーメン店のみです。

 軟石建物の築年別内訳は、昨日ブログから「昭和後期-平成期」が一棟増えて、下記のとおりとなりました(カッコ内は母数413棟に対する百分比)。
  明治期:17棟(4.1%) 
  大正期:29棟(7.0%)
  昭和戦前期:51棟(12.3%)
  昭和戦後期:100棟(24.2%)
  昭和後期-平成期:49棟(11.9%)
  不詳:167棟(40.4%)

 二棟訪ねたうちのもう一棟については、後日お伝えします。

 注:『北海道新聞』連載「街角探見」1995年2月2日によると、「一番星」は1985(昭和60)年創業。タマネギ倉庫をログハウス風に仕上げた外観の焼き肉店もあった。
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≪ 丘珠の軟石タマネギ倉庫 その2ホーム市道元村線 Jさんの石蔵 ≫

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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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