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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2018/01/10

北海道百年記念塔

 2017年3月、北海道博物館に行ったとき、背後に聳えていた北海道百年記念塔を撮りました。 
北海道百年記念塔
 なぜ撮ったかというと、その前年、新聞の投書欄に載った意見が記憶に残っていたからです。北海道新聞2016年9月29日朝刊「読者の声」から、以下引用します。

 百年記念塔 解体すべき  石井ポンぺ 71 (札幌市西区)
 先日、北海道博物館を見学した。リニューアル前の北海道開拓記念館とはまったく比較にならないほど、子どもも大人も楽しんで歴史を学べる博物館となってうれしかった。もう少し展示方法を工夫するともっと良くなると思う。
 その足で森林浴をしながら先へ行くと、赤さびた北海道百年記念塔が目に入った。これは1869年(明治2年)に開拓使が設置されて100年目の1968年に着工され、70年に完成した。「北海道開拓」の名の下、道が数億円をかけて建立したものだ。私たちアイヌ民族には絶対に容認できない、アイヌ民族不在の歴史観に基づく行政の事業であった。
 今、この塔はさびがひどく、はがれて落下するので周囲にロープを張って、立ち入り禁止の地域となっている。多大な金を使って維持管理している事実を知り、憤りを覚える。
 この塔は早急に解体し、樹木を植えて森林公園に戻すべきだ。そのことで私たちアイヌ民族はもちろん、多くの人々は喜んで野幌に足を運ぶことになるだろう。


 この投書が載った3か月後、道新は「『北海道150年』へ道が事業を計画 まずは歴史の検証から」と題した特集記事を組みました(2016年12月28日朝刊)。
 その記事で私は1968年の「北海道百年記念事業」の経緯の一端を知ることができました。次のように記されています。

 道発行の「北海道百年記念事業の記録」によると、事前に道民から先住民族や開拓の犠牲になった農民や囚人らを慰霊する塔や碑の提案が多数寄せられた。
 ところが、知事を会長とする開道百年記念事業協議会が打ち出したのは「『だれの塔』と限定せず、開拓のすべての先人に感謝と慰霊の誠をささげるとともに将来へ向かっての道民の新たな決意をこめた記念塔を建設する」(同記録)との基本方針だった。
 こうした姿勢に68年5月、20歳だったアイヌ民族の詩人、戸塚美波子さん(68)=釧路管内弟子屈町=が本紙読者欄で疑義を呈した。当時、インタビューに応え、「各種行事が話題になっていますが、北海道に古くから住み着いていた私たちアイヌの労苦は全く無視されています。この100年は裏を返すとアイヌの受難の歴史ともいえます。こうした問題に触れず、お祝い事だけにしようとする100年行事に憤りを感じます」と語った。


 「すべての先人に感謝と慰霊」では、「労苦」や「受難」を“強いられた”側も“強いた”側もひっくるめて、「ありがとうございました」になる。疑義を呈した人はおそらくそこに「憤りを感じ」たのではないかと思います。
 この記事では、記念塔が老朽化して修繕に金がかかっていることを伝えつつ、「道は『多くの道民の熱い思いを集めて建てられており、安全面も含め、しっかり管理していきたい』(文化振興課)としている」と述べられています。
 今年になって新たに、「百年記念塔に解体論 道、年内に方針決定」と報じられました(道新1月5日朝刊)。私はその記事で、道が2016年から有識者懇談会を開いて百年記念塔などのあり方を検討してきたことを初めて知りました。「しっかり管理」にも限界があったようなのです。[つづく]
  
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≪ 北海道百年記念塔 ②ホーム長屋の湧水 痕跡? ≫

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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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