FC2ブログ

札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2020/03/14

白石本通周辺の食品工場 ③

 昨日ブログでお伝えしたように、UHB「となりのレトロ」清田区編の放送は来週3月16日(月)の予定です。が、私は今もって、3月2日に放送された白石編に拘泥しています。

 3月10日ブログの末尾に、白石本通5丁目北にあるお屋敷の外観を載せ、「お庭の池が気になっていました」と記しました。
色別標高図 白石本通5丁目 お庭の池周辺
 色別標高図(標高10m未満から5mごと7色段彩)上に赤い矢印を付けた先に、その池があります。

 地理院地図上にも描かれています。
色別標高図 白石本通5丁目 お庭の池周辺 拡大
 赤いで塗ったところが横山製粉の工場です。

 冒頭図の右下(南東)、黄色の矢印を付けた先にも池が描かれています。

 よく知られた白石神社の湧泉です(注①)。
色別標高図 白石神社 湧泉
白石神社 湧泉
 ここでは、実際に池泉を眺めることができます。

 私には、前掲お屋敷の池が、この白石神社の湧泉と似通っているように見えました。月寒台地の火山灰層を削った谷という地形です。お庭の池も湧泉(だったの)ではないか?
 横山製粉の専務さん(3月2日ブログ参照)にお訊きしました。
 専務さん曰く「あれは、人工的に作ったものです」と。
 
 横山製粉が1964(昭和39)年、現在地に本社及び新工場を建てたときの周辺住民と交わされたやりとりを以下、引用します(太字、注②)。
 中には、
 1.水を大量に使うと聞いているが、地下水が枯れて自分達のポンプが使えなくならないか。
 2.騒音を発して安眠を妨げないか。
 3.高い建物の蔭になって、日照時間が少なくならないか。
 という質問が出ました。
 これに対して山田工場長は、工場で使う地下水は、皆さまが使っている地下水よりも更に100mも低い水脈を使うので、ご迷惑はかけない。
(後略)

 豊平川扇状地では、「井戸の深さは30m以上、80m以内のものが圧倒的に多い」そうです(注③)。ただし、札幌では1913(大正2)年に国鉄苗穂工場が深度77m、サッポロビール工場が113mの井戸を設け、これが深井戸の草創といいます(注④)。いずれも豊平川扇状地扇端です。一方、本件工場が位置する月寒台地は、「掘られた深井戸は百本をこえ、それらの収水深度は30mから260mと広範だが、50ないし100mのものが多い。しかし地下水面は一般に深く、台地面から15ないし20mとなっている(末注⑤)。
 さて、前述引用の「更に100mも低い水脈を使う」のは、水に恵まれている立地といえるのかどうか。いずれにせよ、「食品工場だから、水の利を生かした立地」というのは一知半解の皮相的な理解でした。反省します。

 それでもなお、私は拘泥してしまいます。あのお屋敷の池は人工的に掘ったものにせよ、わりとすぐ水が湧いてきたのではないか。近い将来、横山さんの工場を見学させていただけたらと願っています。これにて「白石本通周辺の食品工場」おわり。
 
 注①:『さっぽろ文庫44 川の風景』1988年、p.183、pp.232-234参照
 注②:横山製粉創立30周年記念誌『粉と歩んで30年』1976年、pp.51-52
 注③:『さっぽろ文庫24 札幌と水』1983年、pp.84-85
 注④:同上書p.86
 注⑤:同上書p.82
スポンサーサイト



ホーム

Home

 

プロフィール

keystonesapporo

Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

カレンダー

02 | 2020/03 | 04
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

最新記事

最新コメント

カテゴリ

閲覧者数(2015.9.4からカウント)

検索フォーム

ランキング

↑ クリックすると、ランキングが見れます。

月別アーカイブ

管理画面

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

最新トラックバック