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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2020/03/04

白石本通周辺の食品工場

 3月2日ブログの続きです。コメントをいただきました。白石区本通周辺の食品工場の立地環境について、「物流と水」というご指摘です。ありがとうございます。実は私も、「水」がアタマをよぎってました。

 2日の「となりのレトロ」放送でちらりとお見せした色別標高図です。
色別標高図 10m未満から5mごと7色 白石本通周辺
 標高10m未満から5mごと7色段彩で作りました。放送では原図のみでしたが、これに工場の位置などを加筆します。
 赤い(大):横山製粉、赤い(小):他の工場(Rパン、N製麺、横山食品)、青い:白石神社
 白ヌキ(右上、長形):JR白石駅、白ヌキ(左下、短形):地下鉄白石駅
 白石神社の位置を示したのは、お察しいただけるかと思いますが、ひとまず措きます。あらかじめこの図を作ってみて、赤い(大)の横山製粉工場が位置する地形が気になっていました。

 白石本通(国道12号)は本通1丁目から14丁目にかけて、望月寒川と月寒川にはさまれて舌状に広がる丘陵にかかっています。しかし、一様な尾根ではありません。ところどころアップダウンしています。地元の方はよくご存じでしょうが、私は8年前に自転車で走ってみて実感しました。
 アップダウンの一つが横山製粉さんのあたりにあります。工場の所在地は正確には平和通5丁目ですが、上掲図でみるとおり国道に向かって南西方向にくぼんでいます。

 産総研の「札幌及び周辺部地盤地質図」2006年で、同じ一帯を観ます。
産総研 地盤地質図 白石本通周辺
 加筆は、JR白石駅と地下鉄白石駅を黄色のとした以外は同じです。
 原図の色分け凡例は以下のとおりです。
 紫色:先沖積層、青色:三角州堆積物、水色:谷底平野堆積物、ピンク色:泥炭堆積物、橙色:扇状地堆積物、黄緑:自然堤防堆積物
 横山製粉さんのところは、帯状の「谷底平野堆積物」の地質です。

 下掲図は作製年代が古いのですが、北海道地下資源調査所による地質図1956年から抜粋しました。
北海道地下資源調査所 地質図幅 白石本通周辺
 印の加筆は前掲図と同じです。当然のことながら地下鉄はまだ通じていない一方、国鉄千歳線が描かれています。

 原図の凡例によると、望月寒川と月寒川の間を国鉄白石駅方面に広がる薄黄緑色(Tk)は、「第四紀洪積世 支笏噴出物 月寒火山灰層 火山灰質粘土」とあります。前掲産総研地盤地質図の「先沖積層」と重なる部分で、より詳細な地質の説明といってよいでしょう。横山製粉のところはやはり南西方向に帯状に食い込んでいます。凡例によると(Al)「第四紀沖積世 現河川堆積物」です。火山灰が積もったところを川が谷を削ったという時系列。

 1961(昭和36)年の空中写真を観ます。
空中写真1961年 白石本通周辺
 横山製粉の現工場・本社が立地したのは1964(昭和39)年(3月2日ブログ参照)なのでこの画像では窺えませんが、便宜的に赤いを加筆しました。

 赤い(大)の横山製粉工場のあたりを拡大します。
空中写真1961年 白石本通周辺 拡大
 赤い(大)の上(北)から右方(東)にかけて、河道らしき地形がうっすらと読み取れます。

 読み取れる限りで水色でなぞってみました。
空中写真1961年 白石本通周辺 拡大 河道加筆
 前掲3点の標高図、地盤地質図、地質図に照らすと、横山製粉現工場の付近をかつて小河川が流れていたことが窺えます。2006(平成18)年の地盤地質図では「谷底平野」ですが、1956(昭和31)年では「現河川」堆積物でした。1961(昭和36)年空中写真が「現河川」を裏付けています。この小河川は鉄路をくぐって月寒川に注いでいました。

 参考までに、現在の河川網図でこの付近の川の流れを俯瞰します。
河川網図 白石本通周辺
 月寒川は旧河道とは断ち切られ、鉄路の北でほぼ真北へ直線化されています。古い地形図を見ると、鉄路の北側の直線的流路は元からあったようです。泥炭地の「大谷地原野」の排水路として開削されたものでしょう。こちらに流路変更されたのは昭和40年代とみられます。
 旧月寒川のほうには暗渠排水が注いでいます。その一つ、鉄路沿いの「本通西排水」が、横山製粉工場のあたりを流れていた小河川の名残のようです。

 ということで、横山製粉工場のあたりにはかつて、水脈が通じていました。「だから、何なのだ?」ということまで、まだ至りません。
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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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