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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2020/03/03

北海道の特徴

 新型コロナウイルスの感染者数は、国内では北海道がもっとも多くなっています。北海道知事は2月28日、「緊急事態宣言」を発しました。知事の記者会見を聴いて気になったことがあります。「北海道の都市構造上の課題」という言及です。曰く「北海道の特徴ですが、大きな都市に人が各地域から集まって、当然のことですけれども、その方々が地域にまた、帰っていかれるわけです」と(末注①)。
 これは「北海道の特徴」なのだろうか。本州では新幹線や高速道路などでかなり遠くからも東京と行き来していると思います。東京との行き来に限らず、他の都市圏でも地方との往来は見られます。北海道は、他府県と比較してその往来が顕著なのでしょうか。

 私は、「北海道の特徴」というなら「広域性」と「人口密度の低さ」ではないかと思います。
 よく言われることですが、内地人(末注②)は北海道の広さを錯覚しています。たとえば、私の部屋の壁に貼ってある日本地図です(公財国土地理協会)。
国土地理協会カレンダー
 北海道と内地が異なるスケールで描かれています。北海道は250万分の1、内地は150万分の1です。北海道のほうが小さいのですが、視覚的にはスケールをつい忘れてしまいます。
 私自身は40ン年前に初めて北海道に来たときに実感しました。実際に北海道に上陸するまで、函館と札幌の間を「目と鼻の先」と勘違いしていたのです。たとえるなら、北九州と福岡の間くらいかと思ってました(北九州-福岡間は約70㎞、函館-札幌間は小樽周りで約280㎞)。連絡船で函館に着いて、昼過ぎに急行(倶知安-小樽周りのいわゆる山線)に乗り、札幌に着いたのが夜9時前でした(末注③)。

 昨年宇都宮市で開催された「石のまち宇都宮シンポジウム」での佐藤俊義さんの「札幌軟石」発表です(末注④)。
石のまち宇都宮シンポジウム 佐藤さん発表
 佐藤さんは、札幌軟石が道内の広域に普及したことを地図で説明しました。ひときわ反応が大きかったのが、北海道の地図を本州に重ねた画像です。聴衆から「おぉ」というざわめきが起きました。前述した「内地人の錯覚」は今も根強いのではないかとあらためて感じたひとときです。

 上掲の北海道-本州重ね合せ画像を見ると、北海道の面積は首都圏から名古屋圏を含めて関西圏まで達します。新型コロナウイルスの感染者数はどうか。
 北海道76名に対し、画像で北海道と明らかに重なる13都府県の感染者数は以下のとおりです(末注⑤)。
 栃木県1名、千葉県13名、東京都37名、神奈川県24名、石川県4名、長野県1名、岐阜県2名、静岡県1名、愛知県32名、三重県1名、京都府2名、兵庫県1名、和歌山県11名。合計130名。
 広域性や面積を同等にして較べると、感染者数は明らかに内地のほうが多い。広域性という点では、内地も広域にわたっています。私が「北海道の特徴」として前述した「広域性」というのは、単一の自治体が管轄している広さ、という意味です。今さらいうまでもない当たり前のことではあります。
 これも今さらですが、北海道の特徴というのは結局、広域の単一自治体に比して人口が少ないこと(人口密度の低さ)ではないでしょうか。
 主な感染者数の対人口比は次のとおりです(末注⑥、比率は百万分比ppm)。
 日本全国:230名/126,443(千人、以下同)=1.819ppm
 前述13都府県:130名/58,400=2.226ppm
 北海道:76名/5,286=14.377ppm(札幌:16名/1,970=8.121ppm)
 東京都:37名/13,822=2.676ppm
 千葉県:13名/6,255=2.078ppm
 神奈川県:24名/9,177=2.615ppm
 石川県:4名/1,143=3.499ppm
 愛知県:32名/7,537=4.245ppm
 和歌山県:11名/935=11.764ppm

 北海道と和歌山県が‘桁違い’です。北海道が対人口比で突出しているのはなぜか(末注⑦)。インフルエンザが冬季間に流行することにちなんで、「寒いからか」と当初思いましたが、東北地方はほとんど検出されていません。むしろ、外気が寒いことではなく、内気が暖かいことでしょうか。つまり、寒冷地仕様の道内の建物です。室内の高気密性、いいかえれば密閉度が高いことが影響しているのではなかろうか。公衆衛生学の知見を要するので、私の手には負えません。

 注①:北海道ウエブサイト「知事定例記者会見」ページ→http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/pressconference/r1/r20228gpc.htm
 注②:「内地」という用語については2018.8.25ブログ末注、2015.5.14ブログ冒頭記述参照
 注③:いくら山周りの急行とはいえ、かくも長時間を要したのは、前日まで道内の国鉄が全線ストップするほどの荒天(大雪)のためだった。2015.3.13ブログ参照
 注④:2019.12.14ブログ参照
 注⑤:厚生労働省3月3日発表https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000602374.pdfによる。
 注⑥:感染者数は注⑤と同じ。人口は総務省ウエブサイト「人口推計(2018年10月1日)」ページhttps://www.stat.go.jp/data/jinsui/2018np/pdf/tables.pdfによる。札幌市の感染者数は3月3日報道、人口は「広報さっぽろ」3月号による。
 注⑦:北海道新聞2月26日朝刊記事「道内感染者はなぜ多い」では、「検査数が比較的多い」「冬の一大観光地」という要因のほか「屋内施設で余暇を過ごす時間が増え、飛沫や接触による感染が起きやすい」と指摘している。
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keystonesapporo

Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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