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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2020/01/17

札幌市西区と手稲区の境目 ②

 1月13日ブログで私は、末尾を次のように括りました(太字)。
 手稲山山頂あたりで手稲区と西区を分かつ区界は、1989(平成元)年の分区前の「西区手稲金山」と同区「手稲平和」の町界に基づくものでしょう。その町界は、旧手稲町当時の「金山」と「平和」の字(あざ)界、さらにはその前の手稲村時代の大字「上手稲村」と同「下手稲村」の大字界、さらにその前の「上手稲村」「下手稲村」の村界に遡ります。

 この記述に際して参照した『手稲町誌』1968年「札幌郡手稲村(大字三村時代)地図」を閲すると、昨日ブログに記したとおり、西区・手稲区の区界はかつての上手稲村・下手稲村の村界(その後の大字界)とはどうも一致していません。どこで(どの段階で)、ズレてきたのか。

 札幌市発行の「札幌市区域図」からの抜粋です。
札幌市区域図 1989年 西区・手稲区境界あたり
 1989(平成元)年11月6日現在、つまり西区から手稲区が分区した時点の境界線(区界・町界)を表わしています。例によって手稲山頂(一等三角点「手稲山」の位置)に黄色の、三等三角点「手稲峰」に赤いを付けました。両点を結んで引かれている茶色の太実線が区界(北側が手稲区、南側が西区)です。関係する町名に傍線を引きました。手稲山頂の北側が「手稲区手稲金山」(黄色の線)、三等三角点「手稲峰」の北側が同区「手稲富丘」(赤い線)、その南側が「西区西野」(橙色の線)です。図上表記されていませんが、手稲山頂の南側は同区「平和」です。

 この境界は、分区前の町界をおおむね踏襲しています(「平和」「西野」は分区前は「手稲平和」「手稲西野」。末注)。「おおむね」とぼかしたことには理由があるのですが、ひとまず措かせてください。とまれ、仮にこの町界が旧村界だったとすると、それぞれの町が属していた旧村(旧大字)は次のとおりです。
 平和、西野⇒上手稲村
 手稲金山、手稲富丘⇒下手稲村
 
 ところで「平和」「西野」、「手稲金山」「手稲富丘」といった町名は、1942(昭和17)年、手稲村(当時)の大字(上手稲村、下手稲村、山口村)が廃されて新たに設けられた字(あざ)に由来します(1月14日ブログ参照)。『手稲町誌 上』1968年によると、新しい字と旧大字の新旧関係は次のとおりです(pp.377-378)。
 平和⇒上手稲村
 西野⇒上手稲村
 (手稲)金山⇒下手稲村 
 (手稲)富丘⇒上手稲村、下手稲村

 同書には「手稲町字別区域図」が載っています(p.377)。
手稲町誌 上 手稲町字区域図
 破線が字界です。加筆して手稲山頂の位置に黄色の、三等三角点「手稲峰」に赤いを付け、関係する四つの字に傍線を引きました。
 これを冒頭の1989年分区時の区域図と較べると、四つの字(平和、西野、金山、富丘)の字界は分区後の区界、町界(西区平和、同区西野、手稲区手稲金山、同区手稲富丘)と一致しているようです。

 前述の新字と旧大字の関係からすると、「平和」と「金山」の字界は下手稲村と上手稲村の旧大字界を引き継いだとみなせます。つまり手稲山頂あたりは、旧大字当時の境目と1989年分区後の手稲区・西区の境目が一致するとみてよさそうです。黄色のから東方、四つの字(町)の交点までは旧大字界といえます。したがって、1月14日ブログで時系列的に記した事項は、その限りにおいては間違っていません。

 問題は、「西野」と「富丘」の境目です。「富丘」は、旧大字上手稲村と同下手稲村にまたがって新たに設けられました。つまり、旧大字界は「富丘」(現町名「手稲富丘」)の域内を通じていたということです。これを前掲図や冒頭図に当てはめると、四つの字(町)の交点から東方は、前掲図の「西野」と「富丘」の字界(破線)や冒頭図の区界(茶色実線)よりも北側で大字界が分かたれていたと想われます。

 一昨日来のテーマは、「西区と手稲区の境界がどのように分かたれたか?」です。私は、区界の原形がかつての上手稲村と下手稲村の村界にあるとみたのですが、微妙なズレがあることを知りました。それで、いつものことながら回り道をしています。この回り道は、本来のテーマに結びつくのか。なんとか結びつけようともくろんでいます。

 注:1月15日ブログで引用した北海道新聞連載「10区境界線を行く 2 西区と手稲区」2014年3月5日にも、次のように書かれている。
 市に手稲山の山中の境界線について尋ねた。西区から手稲区を分区した際に、平和・手稲金山間、西野・手稲富丘間の境界として既に存在していた線を採用したという。西区を平和と西野、手稲区を金山と富丘とした理由について、区政課は「両区が将来、バランス良く発展するよう面積比や推計人口などを考慮した結果」と説明する。
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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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