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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2019/10/19

クラーク先生馬上訓言の地 再考

 UHB(8ch)みんテレ(15:50-)“となりのレトロ”の次回は、21日(月)オンエア予定です。

https://uhb.jp/program/mintele/
 今日たまたまお会いした「北海道開拓の村」の学芸員の方に「いつもビデオに撮って見てます」と言われました。だんだんボロが出て来そうで怖い。
 
 このたびは北広島市島松をお伝えします。島松は明治時代、駅逓が置かれたところです。クラーク博士が“Boys, be ambitious!”と発して学生らと別れた地としても知られます(9月5日ブログ参照)。正直に告白すると、私は最近まで「クラーク博士は島松駅逓で馬上訓言し、別離した」と思ってました(9月24日ブログ参照)。
 
 私に刷り込ませたのは、この風景です。
島松 旧駅逓所、クラーク記念碑
 「刷り込ませた」というと責任転嫁しているようで申し訳ありません。島松川の左岸(北広島市側)の風景です。左方に「旧島松駅逓所」の建物、右端にイオニア式円柱風の「青年よ大志を懐け」碑が建ちます。この二つがセットになって、「ああ、クラーク先生は島松駅逓で別れたのだなあ」と思わしめました。
 
 史実を以下、時系列で記します(末注①)。
 1871(明治4)年 中山久蔵が胆振国千歳郡島松村(島松川の右岸、現恵庭市島松沢)に入植
 1873(明治6)年 中山久蔵、石狩国札幌郡月寒村(島松川の左岸、現北広島市島松)に居を移す。同地で稲作に成功
 同年 島松村(右岸)に駅逓所設置
 1877(明治10)年 クラーク博士が島松で馬上訓言、学生らと別離
 1881(明治14)年 明治天皇北海道巡幸、中山宅(左岸)に行在(同宅に行在所が増築される)
 1884(明治17)年 中山久蔵、札幌県から駅逓取扱人を命じられ、同宅(左岸)が駅逓所となる
 1897(明治30)年 駅逓所廃止 

 要するに、クラークが島松の地を通った1877(明治10)年、前掲画像の建物(左岸)はまだ駅逓ではありませんでした。駅逓所は右岸にあったのです。付け加えると、画像に写る建物の右約3分の1は1881(明治14)年に行在所として建て増されたもので、クラークのときはありませんでした。左3分の2は中山久蔵の居宅、客間です。これは1873(明治6)年から1880(明治13)年にかけて建てられました。よって、クラークがこの地で一休みしたときは駅逓所ではなく、中山久蔵の居宅です。それは前掲画像の建物の原型というか一部でした(末注②)。

現在図 島松川 明治10年当時 中山久蔵宅 駅逓所
 9月24日ブログは無謀だったと思います。上記の史実の時系列を端折って、いきなり異説に向かってしまったからです。クラークの当時、駅逓所は右岸にありました。札幌から馬に乗ってきたクラーク一行が休憩したのは個人宅としての中山宅ではなく、駅逓所のほうが自然だったのではないか。異説の根拠をかいつまむとそういうことです。馬を休めるにも、駅逓所のほうが適っている。というか、そのために駅逓所は、ある。

 注①:北広島市発行リーフレット「国指定史跡 旧島松駅逓所」、北広島市エコミュージアムセンター知新の駅『北広島遺産ハンドブック 歴史遺産』2016年、pp.33-34
 注②:前掲画像の建物は「保存」なのか「復元」なのか。私は8月25日ブログで「修復・復元」と表現した。北海道近代建築研究会『道南・道央の建築探訪』2004年「旧島松駅逓」によると「現存の建物は、昭和59(1984)年の史跡指定を機に一部(主に初期の住居部分)復元し、平成2(1990)年、全面修復されたものである」(p.107)。一方、上掲北広島市リーフレットによれば「現在の建物は、明治14年(推定)の平面図をもとに昭和59年(1984年)から保存修理を行ない、完成したものです」。
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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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