FC2ブログ

札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2019/09/02

函館の笏谷石製の蔵

 uhbみんテレ「となりのレトロ」函館特別編のエンディングは、函館山からの夜景でした。ご覧になった方はお判りのとおり、ざあざあ降りの雨の中です。スタジオで森本稀哲さんがコメントしたように、最後はこれで終わらせるというディレクター氏の固い意志の“たまもの”といってよいでしょう。
 以下は内輪話です。
 この日はロケの二日目で、昼間の収録は午後2時前に終わりました。夜7時までの夜景ロケまでの間、レポーターのEさんと私は自由時間です。Eさんは体調が芳しくなく、大事を取りホテルに戻って休みました。39度の高熱を発していたのです。前日、札幌を発つときから風邪気味だったそうですが、二日間の屋外でのロケで悪化してしまったらしい。
 翌日は札幌に戻るため、夜景を撮るのはこの日しかありません。Eさんには、高熱を押してしかも悪天候の中、お疲れ様でした。しかし、そこまでして夜景を撮らねばならないか? 撮らねばなりません。

 本日の放送で「箱館高田屋嘉兵衛資料館」をお伝えしました。
函館高田屋嘉兵衛資料館 外観
 左側が越前笏谷石を用いているという蔵です。外壁は白く塗られていますが、内部は石がむき出しで質感を味わえます。

 この石蔵のことは2015.10.13ブログで少し記しました。建てられたのは1903(明治36)年です(末注)。「田中商店」の昆布を収蔵していたといいます。番組では、北前船で昆布が内地に運ばれ、代わりに笏谷石が北海道に持ってこられたとお伝えしました。
 ただし。
 建築年代の明治後期というのは、北前船航路の盛期は過ぎています。しかも、笏谷石を建物まるごとに用いるというのは全国的にみて極めて(といってよいと思う)稀少です(2015.10.12ブログ参照)。これをどう読み解いたらよいのでしょうか。 

 1936(昭和11)年に刊行された『函館海産商業界案内』という冊子があります(函館中央図書館蔵)。
函館海産商業界案内 表紙
 「海産商業界」で一冊子が出されるところが函館ならではです。

 この冊子の末尾に、函館の海産商の一覧表が載っています。
函館海産商業界案内 海産商の一覧 田中商店
 数えてみたら、全部で89軒です。
 この中に「∧(やま)田 田中商店」もあります(赤傍線)。鉛筆で丸く印が付いているところです。これは私が書いたものではありません。どなたか先に調べた方がいるらしい。
 この表によると同商店は、創業年月:明治6年、取扱商品:魚肥油塩乾魚貿易品一切、販路:道内、収益税:94.02円 決定額(純利益):3,770円 です。収益税、決定額(純利益)の数字は上から7番目に当たります(金額が空白の業者もあり)。創業年月の明治6年というのは6番目の古さです(「不詳」の業者もあり)。
 石蔵の持ち主であった田中商店がかなり手広く商いをしていたように窺えました。

注:『函館の歴史探訪』1997年、p.48
スポンサーサイト



ホーム

Home

 

プロフィール

keystonesapporo

Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

カレンダー

08 | 2019/09 | 10
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

最新記事

最新コメント

カテゴリ

閲覧者数(2015.9.4からカウント)

検索フォーム

ランキング

↑ クリックすると、ランキングが見れます。

月別アーカイブ

管理画面

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

最新トラックバック