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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2018/05/05

創成川の謎 ①

 「東区 北光・鉄東の謎 四題」(2018.3.12ブログ参照)を再開します。
 ① 「北光線(東8丁目通り) 東区最大のクランクの謎」
 ② 「創成川の謎」
 ③ 「ビッグハウス、オートバックス、元ツタヤの謎」
 ④ 「北12条通りの謎」

 ④→③→②→①の順で、④③まで解いてきました(④3月15日、③4月9日各ブログ参照)。今回は②「創成川の謎」です。

 現在図で、謎の謎たるゆえんを確認します。
地理院地図 創成川 札幌駅以北
 創成川は基本的に、真北から西へ約10度傾いて、直進して流下しています。これが札幌の街の(中心部の)南北の基軸になったことは、知られるところです。

 しかるに、JR函館線以北で、西への傾きが少しずつ大きくなります。前掲図に黄色の○で囲ったあたり、すなわち北13条通りで傾きが顕著です。それまで東1丁目通りが川にぴったり沿っていましたが、ここから北へ行くにつれて離れていきます。おおむね北18条、赤い○で囲ったところの少し北のあたりまで傾き具合が逓増しています。東1丁目通りとは、1丁目分くらいの乖離です。
 その北は直進しているようですが、実は少しずつ傾いています。が、そこまでは追わないこととしましょう。ひとまず、黄色の○の北13条通りから赤い○の北18条通りあたりまでの傾きを追究します。なぜ傾いているのか。

 「なぜ?」の前に、この傾きがいつから生じたものなのか、見ておきます。
 「北海道札幌之図」1873(明治6)年です(北大図書館蔵)。
北海道札幌之図 明治6年 創成川
 創成川の流れを、黄色の○で囲ったあたりでご覧ください。

 拡大してみます。
北海道札幌之図 明治6年 創成川 西への傾きのあたり
 黄色の○の南端部に書かれている「運漕局」というのが、現在のJR線の北側、北6条から北7条あたりです(末注①)。

 さて、運漕局から北東へ枝分かれしているのが大友堀です。というか、大友堀のほうが古かったので、北へ直進させたほうを枝分かれというべきですが。大友堀の流れに沿って北東の端の方に「生産局」と書かれています。黄色の○の東端の外です。これが北10~11条東6丁目に当たります(末注②)。
 という位置関係をアタマに入れて創成川をあらためて見ると、北11条あたりから西への傾きが大きくなっているのが見て取れます。
 
 次に、たびたび紹介させてもらっている「札幌県石狩国札幌郡丘珠村札幌村全図」1882(明治15)年です(北大図書館蔵)。
札幌県石狩国札幌郡丘珠村札幌村全図 創成川
 橙色の○で囲ったのが現在の北12条通りです(2018.2.23ブログ参照)。
 創成川はここから北へ行くにつれて、流れは西への傾きが大きくなっています。

 前掲2枚の古地図は、前者が開拓使の測量課、後者が札幌県地理係の技師が製図したものです。近代的な測量技術に基づいていると思われます。これらからみて、創成川は明治のかなり古い時期から、今と同じように西への傾きを大きくして流れていたといえましょう。「明治の古い時期」と記しましたが、創成川のおおむね北6条以北(寺尾堀)が開削されたのは1870(明治3)年です(末注③)。たぶん開削当初から西へ西へと傾けて流したのではないでしょうか。

 注①:君尹彦講演記録 『ひがしく再発見 まちの歴史講座② 札幌村の成立』2003年、pp.55-59
 注②:同上
 注③:榎本洋介「明治三年の札幌-新川の開削」『「新札幌市史」機関誌 札幌の歴史』第9号1985年8月、pp.16-27
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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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