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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2018/05/02

再々生・旧小熊邸

 昨年(2017年)11月に閉店した「ろいず珈琲館 旧小熊邸」の建物が先月、釣具店に再生しました。
旧小熊邸 ドリーバーデン
 「ドリーバーデン」という店です。

 ろいず珈琲館は1998(平成10)年9月に開店し、19年にわたって続けられてきました。長いこと、ありがとうございました。
 新しい店は室内に商品が並んでいて、「ろいず」当時とは雰囲気が変わりましたが、1階の一隅と2階に喫茶のスペースもあります。

 2階です。
旧小熊邸 2階
 この建物は、2階は一部屋しかありません。
 設計した田上さんの図面にはatticと書かれていました。屋根裏部屋。ある意味、贅沢な空間だと思います。

 作り付けのカップボード?書棚?に、元の住まい手の小熊捍先生の肖像写真と直筆色紙が飾られています。
小熊捍先生 肖像写真 直筆色紙
 この写真と色紙は、札幌建築鑑賞会が元の店に寄託したものです。 

 1996-97年、鑑賞会がこの建物の保存を目指して活動していたとき、会員から会に寄贈されました。ゆかりの建物に飾られるのが一番いいだろうと思って、1998年に建物が再現されたとき、寄託したのです(末注)。

 この3点には、私はほろ苦い思い出もあります。当時、建物の保存に関わっていた別の人から、「葬式の写真みたいだ」と言われたのです。私としては、元の住まい手にまつわる貴重な史料でもあるので、よかれと思ったのですが、それを聞いたときは少なからずショックを受けました。それでも、ろいずの社長さんは上手に額装して、1階の欄間に飾ってくださいました。旧小熊邸の正史では語られない挿話です。
 
 私の贔屓目かもしれませんが、仮に遺影であったとしても、それはそれで肯定的な意味で建物に生活感を添えて、よかったのではないかと自分に言い聞かせています。よく仏間の欄間とかにご先祖の遺影を掲げたりしてますよね。洋館には似つかわしくないか。 

 とまれ、建物再々生の前途に幸あれと祈ります。

 :この建物は、1927(昭和2)年に旧藻岩村円山村(現中央区南1条西20丁目)に建てられた原建物の外観を、1998年、できる限り忠実に再現し、内部の建具や家具の一部を復元したものである。ところが近年、建物自体が「移築」とか「復元(原)」されたと称されることが多い。たとえば「札幌の街をデザインした男―田上義也- 光に包まれた北の建築」(AIR DO機内誌『rapora』№60、2009年5月)では、「旧小熊邸のオリジナルは解体されたが、保存運動の高まりで藻岩山麓に復原された」(p.8)。また、「北海道建築の父・田上義也建築巡礼 北のモダニズム」(ANAグループ機内誌『翼の王国』№508、2011年10月)には、「1998年に現在の藻岩山の麓へと解体・移築された邸宅」(p.90)。
 しかし、以下の理由で、「復原」「移築」は語弊がある。
 ・9割がた、新しい建材の使用である。原建物の部材は内部で使用されているが、極めて部分的である。
 ・喫茶店としての再生利用にあたって、内部の間取りや床が大きく変更されている。
 いうならば、「再現」とか「再生」が妥当ではないか。後者の記事には研究の第一人者・角幸博先生も登場しているが、ほかならぬ角先生ご自身、本件建物を「原寸模型的な再現」と評している(『札幌の建築探訪』1998年、p.143)。もちろん、だからといって本件建物の存在意義を損なうものでは、いささかもない。問題は表現の仕方である。 2016.1.16ブログ参照 
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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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