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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2018/01/14

北海道百年記念塔 ⑤ 敷島の大和心を人問はば

 「百年記念施設」に関する北海道の有識者懇談会について、「ぶんぶく」さんからコメントをいただきました。ありがとうございます。「集客力や維持費用、構造的危険性だけではなく、もっと大きな視点で議論するべき問題だと思います。北海道の(開拓の)歴史は今後200年、1000年と続くわけで、その節目となるモニュメントのあり方についてこんな低次元の議論しかされてこなかったことに驚きと悲しみを感じます」というご意見です。

 「もっと大きな視点」の前に、「集客力や維持費用、構造的危険性」について先に論じておきましょう。
 有識者懇談会を報じた新聞記事には、北海道百年記念塔について「公共施設の老朽化問題に詳しい東洋大の根本祐二教授(公共政策)」のコメントが次のように記されています(2017年1月5日北海道新聞夕刊、引用太字)。
 落下物があるということは建物の重量バランスが変わっている可能性が高く、倒壊のリスクも考えられる。一刻も早く解体を決断すべきではないか。
 1月10日ブログで引用した「アイヌ民族不在の歴史観に基づく行政の事業」とはまったく別の理由で、「一刻も早く解体」が呼びかけられています。この大学教授が実際にどこまで語ったか不明ですが、記事に出ているのは「倒壊のリスク」という観点のみです。
 厳密に言えば、解体の是非は「倒壊のリスク」があること自体ではなく、そのリスクを避けるためには修繕で「10億~20億円」、維持管理で「年平均800万円」を要する(前掲道新記事)ことの是非で論じられるべきでしょう。「倒壊のリスク」がある世の中の公共施設を、修繕または建替えの要否と経費を抜きにして「解体を決断」するとしたら、論理に飛躍があります。
 先にカネの問題で私の考えを述べます。北海道の20歳以上人口は約450万人(2017年現在)、人口減少を考え400万人として修繕に要する20億円を割り返すと一人当たり500円です。1年あたりの維持管理費800万円を割り返すと、一人当たり年2円。北海道民(の成人)ひとりひとりが、これを負担してでも記念塔を遺すべきかどうかを考えてみてはどうでしょうか。私は負担します。記念塔に「集客力」がなくても、500円+2円/年が惜しいとは私は思いません。

 上記前提の上で、「もっと大きな視点」に戻ります。
 有識者懇談会の議論の中に、記念塔を解体し、跡地に「2万本程度の桜の植樹をして」「桜の名所にして」はどうかという意見がありました(2016.11.26議事概要)。
 「大きな視点」ではなく、個人的な好みの感覚で恐縮ながら、私、植樹といえば桜っていうのは、どうも好きになれないんですねえ。「春、満開のときに綺麗だろう、人が集まるだろう」という発想に、陳腐というか安易を感じてしまうのです。桜に頼るのは、いいかげんもうやめてもらえませんかね。ぶんぶくさんじゃないですが、「有識者」の意見って、こんなものですか。
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keystonesapporo

Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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