札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。

2017/09/17

ホンマ矯正歯科の隅切り

南1条西20丁目の角地に建つ歯科医院です。
ホンマ矯正歯科
 建物自体が格別凝った外観というわけでもないのですが、西20丁目通りの交差点に立つと私は何か惹きつけられてきました。

 たぶん、角地を大きく隅切りしたファサードが印象的なのでしょう。この隅切りの大きさはただならぬものがあります。

 この交差点のほかの角地と比べても、ひときわ大きな隅切りです。
南1西20 ホンマ矯正歯科 隅切り
 赤い線が本件歯科医院の場所です(元図は地下鉄西18丁目駅に置かれた案内地図から抜粋)。

 建築基準法でたしか、角地に建つ建築物等は一定の条件のもとに隅切りしなければならないという規定があったと思います。私は札幌建築鑑賞会代表を長年称してきましたが、建築士でも建築学の専門家でもなく、基準法にはまったく疎いのですが、本件歯科医院はそんな規定とはかかわりないようです。
ホンマ矯正歯科 隅切り②
 超然と隅切っています。
 
 大きな高層建築の場合、容積率緩和の要件として公開空地を設けるということもありますが、本件は平屋建てであり、それとも関係ありません。
ホンマ矯正歯科 隅切り③ 境界石
 黄色の○で囲ったところに札幌市の境界石が埋められています。本件角地は隅切り面ぎりぎりまで、道路用地です。

 このたび、「ポルト」(北翔大学北方圏学術情報センター)主催の市民講座の一環で円山地区を歩いて、本件隅切りの原因にようやく気づきました。おそらくマニアの方やこのあたりに長くお住まいの方には既知のことなのでしょうが、これ、市電が走っていた当時の記憶だったのですね。

 1961(昭和36)年空中写真から抜粋しました(国土地理院サイトから)。
空中写真 1961年 南1西20 交差点
 赤いの○で囲ったのが南1条西20.丁目の交差点です。市電の軌道が写っています。西20丁目通を北進し、ここで西へ曲がっています。この頃からすでに、本件箇所の隅切りが目立っています。ちなみに黄色の○で囲ったところ(南1条西19丁目)も、建物が大きく隅切りされています。ここは、南1条通を西進してきた市電の軌道が西20丁目通で北へ曲がる地点です。

 1948(昭和23)年米軍撮影の空中写真で、同じ場所を見ます(国土地理院サイトから)。
空中写真 1948年米軍 南1西20交差点
 赤い○のところはやはり、市電軌道の曲折に合わせるかのように隅切りされています。
 一方、黄色の○の方の南1条西19丁目は、この時点では隅切りされているように見えません。ここを曲がる車馬の交通量が多くなかったからではないかと私は推測します。理由は二つ。西20丁目通がこの角地の南方をまだ通じていなかったのと、南1条通の旧道(角地の北側をナナメに通じる)が機能していたからだと思うのです(9月14日ブログ参照)。

 南1条西19丁目角地の現在の風景です。
南1西19 交差点 隅切り
 ここの建物も、結構隅切りされています。前掲1961年写真ではっきり隅切りされた痕跡が、今に遺っているかのようです。先日来縷々記してきたように、南1条通の裏参道側(西20丁目)にナナメの道が通じて、旧道の機能が減退したからではないかと思います。西20丁目通も南へ直線化されて、交通量も増えたことでしょう。

 …と、かなりマニアックに考察してきたつもりですが、ためしに「札幌 ホンマ矯正歯科 市電」で検索してみたら、本件隅切りに言及しているサイトがすでにありました。世の中には先達がいるものです。
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1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。

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