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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 胆振東部地震お見舞い

2016/09/15

子取川①

 桑園にある現在の札幌競馬場は、かつて「子取川競馬場」とも呼ばれていました。
 …ということを私が知ったのは『札幌競馬場100年史』2007年によるのですが、気になったのは「子取川」です。
 
 同書には次のように記述されています(p.59)。
 開設の頃の札幌競馬場の通称として使われていた「子取川競馬場」は、所在地がもともとは「子取川農場」であったことに由来する。しかし、川の名前として「子取川」は公式の資料にもなく、俗説として秋に上るサケを捕獲し、卵(筋子)を採った川ということのようである。
 この川は競馬場の東を流れる琴似川の支流の1つである。琴似川本流は競馬場の西側を流れ、源はスキーのジャンプで有名な大倉山シャンツェのある宮の森あたり。今は大半が埋め立てられている。「子取川」もわずかに痕跡をとどめているが、さらに東にもう1つの支流「サクシコトニ川」があって、北海道大学の構内へ至り、近年河川公園として整備され、流れが復活した。
(後略)

 つまり、子取川は琴似川の一支流で、現競馬場の東側を流れていたということです(末注①)。これまで古地図などで見たことのない、初めて聞く川名です。しかも「わずかに痕跡をとどめている」という。これは確かめないわけにはいかない。

 まず、例によって古地図を見ます。
大正5年地形図 琴似川
 大正5年地形図で、競馬場の東側を流れる川とおぼしき線を青くなぞりました。
 画像上、一番右側(東側)の濃い青はサクシコトニです。これと競馬場の間には、川らしき線が二本、描かれています。薄い青でなぞりました。
 そのうちの右側(東側)は上流がさらに二本に分かれ、一つは現在の植物園あたり、もう一つは知事公館あたりからミナモトを発しています(末注②)。二川は函館線の北側で合流し、北へ流れ、サクシコトニとつながった上で「琴似川」に注ぎます(赤い○で囲ったあたり)。
 もう一本は、競馬場のすぐ東側を、ほぼ外周に沿うように流れています。この川も北上し、「琴似川」と合流します。
 
 前掲書の記述からすると、薄い青でなぞった川のどちらかが子取川ということになりそうです。
 
 注①:前掲書では、競馬場の西側を「琴似川本流」が流れていたとしている。西側を流れる(といっても、一部暗渠の)川は確かに現在琴似川というが、これを琴似川の「本流」といってよいかというと、異論がある。しかし、話の本題からずれるので、ここではひとまず措く。
 注②:山田秀三『札幌のアイヌ地名を尋ねて』1965年によると、植物園のミナモト=ピシクシメムから発したのがチエプンペツ~セロンペツ、知事公館のミナモト=キムクシメムから発したのがコトニ(ポロコトニ)。
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keystonesapporo

Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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