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札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。 新型冠状病毒退散祈願

2016/07/15

ハルキポントンネ川③

 川の右左について、もう少し考察します。
 現在の河川は上流から下流に向かって右、左と命名しています。札幌市内を流れる精進川を例にとると、こんな位置関係です。
精進川 右、左
 これは、下流に向かって川の右側を右岸、左側を左岸と呼ぶことと照合します。昨日紹介した山田秀三先生によるところのアイヌ語の流儀(山に向かって右、左)とは反対です。

 つまり、一昨日来お伝えしているハルキポントンネ川は、現在の命名法には適っているのです。だから、「ハルキ」というアイヌ語ではなく「左」ポントンネ川であれば、「ああ、これは和人が後世の用法に基づいて命名したのだな」と納得できます。しかし、「左」ではなく、あえて「ハルキ」です。私はハルキ…の例をほかに知りませんので、アイヌ語地名、川名に詳しい方の教えを乞いたいところです。

 知里真志保『地名アイヌ語小辞典』1956年、1984年復刻によると、harki(左)の出自はar-ke(反対の・部分)です(p.29)。そのarkeを引くと、「片割れ、半分」の意(p.8)。山田先生は『札幌のアイヌ地名を尋ねて』1965年の「うらうちない川」の項で、ウラウチナイの語源を「アラウツナイ」とした場合、「地名によく出てくるアラ(ar)は、二つ対であるものの『片一方』のという意味で、地名で意訳すれば『あっち側の』と云うように使われる場合が多い」ことから、「ラウネナイから二つに分かれた対の小川」としての「あっち側のウッナイ」という語義を紹介しています(p.142、末注)。
 その伝に倣えば、「ハルキポントンネ」はもしかしたら「アルキ(ケ)ポントンネ」で、「もう片一方のポントンネ」だったのかもしれません。

 ハルキポントンネ川がポントンネ川と合流する地点です。
ハルキポントンネ川 ポントンネ川との合流地点
 黄色の矢印の先、草の影に半分隠れている土管がハルキポントンネです。

 ポントンネ川です。
ポントンネ川
 ポン(小さい)トンネといっても、コンクリート護岸で深い谷を削っています。知里先生が前掲辞典でも述べていますが、ポン=小さいは相対的な意味で、「上流の枝川をさすことも多い」(p.99)。ポントンネも、トンネ川の「上流の枝川」です。

注:ただしこれは「強いて考えるとすれば」の話で、本来はアラウツナイではなく「ウラウチナイ」を重視したいと述べている。それにつけても山田先生は、考えるヒントを幾つも与えてくれる。
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Author:keystonesapporo
1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。
逍遥する時空:札幌、歴史、地形図、地理、地誌、地名、地形、地質、軟石、石蔵、硬石、採掘場、煉瓦、サイロ、腰折れ屋根、地神碑、墓地、旧河道、暗渠、メム、古道、微地形、高低差、クランク、境界、橋、歩道橋、電柱、バス停、踏切、古レール、神社の玉垣、小祠、二宮金次郎、戦跡、古い樹、河川網図、都市計画図、住宅地図……

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