札幌時空逍遥

札幌の街を、時間・空間・人間的に楽しんでいます。

2015/01/10

郷里で時空逍遥 2015お正月編⑥

 美濃路稲葉宿モダニズム建築編、その2です。
稲葉宿 元郵便局?
 在来的な町屋や土蔵と一緒に並んでいるのが、またいいなと思います。
 ただ、今回眺めたとき「なんかモノ足りないな~」と思いました。しかし、足りないモノが何か、その場では自覚できませんでした。

 ここも、以前に同じアングルで写真に撮っていました。
稲葉宿 元郵便局?
 2003年の撮影です。新旧を見比べて、モノ足りない「何か」が判りました。黄色の矢印の先です。建物ファサードの、なかんづく最も目立つ部分がなくなっている…。
 
 2003年には、ちゃんとファサードも写していました。
 稲葉宿 元郵便局?2003年②
 この写真を撮った我と我が身を褒めてやりたい気分になりました。
 黄色の矢印の先、てっぺんの部分を拡大してみましょう。

 赤い○で囲ったところをよく見ると…。 
稲葉宿 元郵便局?2003年③
 うっすらと「」のマークが見えます!
 
 そうしてみると、前掲写真のこんどは緑色矢印の先が気になります。その部分を拡大してみました。
稲葉宿 元郵便局 看板跡?
 橙色の矢印の先が、私にはサンズイ扁に見えてなりません。そしてその左隣、ピンク色矢印の先がオオザトに見えてしまうのです。もしかしたらここには、右から横書きで「稲沢(または澤)郵便局」という文字が架かっていたのではないだろうか。

 札幌の類似物件と比べてみましょう。
札幌 旧石山郵便局
 旧石山郵便局です(2013年撮影)。
 此方札幌は半円アーチ、彼方郷里はセグメンタル(櫛形)アーチ。
 
 此方札幌の当該部分を拡大すると…。
 札幌 旧石山郵便局②
 郷里のほうは痕跡だけなので比べるのは酷ですが、札幌のほうが賑々しく愛らしい。

 旧石山郵便局は1940(昭和15)年の建築と聞きます(『札幌の建築探訪』p.129)。玄関の大アーチはキーストーンを配しつつも古典様式的というより、サリヴァンアーチに通じるモダニズムを私は感じます。郷里の「〒」跡物件には、モダニズムのニオイをさらに濃く嗅ぎます。

 たとえば、壁面の1階と2階の間の、額縁状装飾。
稲葉宿 元郵便局?②
 ∩∩∩…の模様で四囲されています。 
 前述の取り外されたセグメンタルアーチといい、この模様といい、昨日紹介した中電元営業所と同じ時代のニオイです。やはり昭和戦前期でしょうか。
 
 それにしてもあのセグメンタルアーチ、なんで取っちゃったのでしょうね。いかにも看板建築的に飛び出ていたので、アブナイ感じがしたのでしょうか。それとも、うっすらと遺る「〒」の痕跡を見て現役郵便局と間違える人がいるので、誤解を解くために外したのか。
 2003年に歩いたときは1階部分に下屋が出ていて、「古美術」の看板が架かっていましたが、今回はそれも外されていました。
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1991年から札幌建築鑑賞会を続けてきました。

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